【脳の霧】ブレインフォグの治し方｜6つの方法で完治を目指そう！

ブレインフォグ（脳霧）とは、思考がぼんやりとしたり、集中力が散漫になったり、物事を思い出すのが難しくなる状態を指します。これは特定の医学的診断として認められているわけではありません。

でも実際のところ、多くの人がこのような症状を経験しているのではないでしょうか。

具体例をあげると、集中力を維持することや、事実を思い出すこと、生産的なことを考えることが難しくなるといったケースです。

ブレインフォグを経験している人々のなかには、消化器系の問題を抱えている人も少なくありません。例えば、腹部の膨満感や下痢、便秘といった症状が出ている人はブレインフォグが出やすいとされています。とくに、過敏性腸症候群（IBS）やリーキーガットといった消化器系の問題によってブレインフォグを引き起こしている可能性が高いです。

そこで、この記事では、ブレインフォグを解消するための6つの段階を紹介します。

1. 「5R法」を試す（腸の回復）：脳腸相関。「腸は心の鏡」であり、同時に「心は腸の鏡」です。健康な腸は健康な脳を生み出します。
2. 断食する（腸の休息）：適度なファスティングは、炎症をなくして脳の機能を高めます。
3. 運動する：定期的な運動は、BDNF（脳の成長因子）を促進して脳機能を促進します。
4. 良質な睡眠をとる：良質な睡眠は、脳を休息させ、リフレッシュさせるのに不可欠です。
5. 日光を浴びる習慣を身に付ける：日光浴することで、気分やエネルギーレベルを向上させることができます。
6. ブレインフォグに有効なサプリを試す：特定のサプリメントは、脳の健康を支え、ブレインフォグの症状を軽減することができます。

上記のステップはすべてやる必要はありません。胃腸トラブルによってブレインフォグが起きているのなら、①や②の方法を優先的に試すことをおすすめします。うつっぽいなら③～⑥の方法がおすすめです。

このように、人によってブレインフォグの対処法は違います。あなたが「なぜ、ブレインフォグになってしまったのかわからない」という方は、自分にできることから取り組んでみてください。必ず何かしらの好転反応が見られるはずです。

ブレインフォグのおもな症状

ブレインフォグ（脳霧）の症状とそれに関連する可能性のある疾患を見ていきましょう。以下のような症状がある方は、ブレインフォグを経験しているかもしれません。

• 精神的明晰さの欠如
• 記憶力の悪さ
• 情報処理困難
• 心身の疲労
• うつ病と不安

もっとわかりやすくいうと、「なんだかもやもやする」、「思い出せない」、「考えられない、決められない」、「もう疲れた」、「よくわからないけど不安」といったことが起きているのがブレインフォグのサインです。

これらの症状は、日常生活における能力や生活の質を大きく低下させる可能性があるので、早急に手を打つ必要があります。

ブレインフォグを発症するおもな原因

以下は、ブレインフォグとの関連が指摘されることが多い疾患のリストです。

• 過敏性腸症候群（IBS）/リーキーガット：腸の問題が脳に影響を与えることは、よく知られています。消化器系の健康が全体的な健康と密接に関連しているためです。
• 栄養バランスの悪い食事：ビタミンやミネラルの欠乏は、脳の機能に影響を与えます。
• 慢性疲労症候群：この症状は、ブレインフォグの症状と一致することが多く、しばしば重なることがあります。
• 鉄欠乏性貧血：酸素供給の低下は、脳の機能に影響を及ぼす可能性があります。
• ホルモンの変化：閉経期や甲状腺の問題など、ホルモンの変化はブレインフォグを引き起こす可能性があります。
• 睡眠時無呼吸症候群：十分な睡眠が得られないと、脳の機能が低下します。

もし上記の疾患のいずれかに該当する場合は、本日紹介する方法が役立ちます。

ただし、以下が原因であるブレインフォグの場合は、医師と相談して適切な対策を講じてください。

• 多発性硬化症、線維筋痛症、アルツハイマー病、パーキンソン病：これらの神経学的な疾患は、ブレインフォグを引き起こす可能性があります。
• 妊娠：ホルモンの変化は、ブレインフォグを引き起こす可能性があります。
• 薬の副作用：いくつかの薬物は、特に長期間使用すると、ブレインフォグを引き起こすことがあります。

ブレインフォグの治し方｜6つの方法で完治を目指そう！

本日紹介するブレインフォグの治し方は、冒頭でも少し触れたとおり以下の6つの方法です。

• 「5R法」を試す（腸の回復）
• 断食する（腸の休息）
• 運動する
• 良質な睡眠をとる
• 日光を浴びる習慣を身に付ける
• ブレインフォグに有効なサプリを試す

1つでダメなら2つ、2つでダメなら3つと試してみてください。どれもかなり有効な方法なのであなたの脳の霧が段階的に晴れていくことを実感できるはずです。

方法①：「5R法」を試す（腸の回復）

有効な人：腸カンジダ、リーキーガット、SIBO、IBS

ブレインフォグの原因として名前が挙がることが多いのが「リーキーガット」です。

そのときの治療法として有効とされているのが「5R法」。これは以下の「5つのR」で構成されます。

• 除去（Remove）
• 置き換え（Replace）
• 植菌（Reinoculate）
• 修復（Repair）
• バランス回復（Rebalance）

ここでは、「5R」をざっくりと紹介します。

除去（Remove）

まずは体に悪いものを徹底的に排除します。それには以下のようなものがあります。

• アレルギーを引き起こす食物：乳製品、小麦（グルテン）、大豆、トウモロコシ、異性化糖（HFCS）といったトウモロコシ由来の食品など。
• 過剰摂取により腸の粘膜に刺激を与える食物：砂糖や単純炭水化物（糖質）、パスタ、パン、加工食品、アルコールなど。
• 腸内の有用な微生物を減少させて腸に不快感を与える：特定の人工甘味料（アスパルテーム、サッカリン、スクラロース）など。

置き換え（Replace）

ベタインHCL（塩酸ベタイン）や膵臓消化酵素のサプリメントを用いて、酵素やHCL（塩酸）の欠乏を補います。もし、偏った食事が胃酸逆流を引き起こしている場合は、栄養状態を改善することが先決です。

植菌（Reinoculate）

腸に善玉菌を増やすことです。ラクトバチルス（乳酸菌）、アシドフィルス、ビフィズス菌などのプロバイオティクスサプリメントを摂取することで、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善することができます。サッカロミセス・ブラウディと呼ばれる有益な酵母も、腸内バランスと微生物多様性の回復に貢献する可能性があります。

修復（Repair）

胃腸の修復には、食事の改善が必要となります。食事の改善には以下のような食品が有効です。

• 肉からとったボーンブロス（骨スープ）
• 昆布茶、ケフィア、ヨーグルト
• 植物繊維を多く含む食物（キャベツ、ケール、アボカド）
• MCTオイル
• 穀物、砂糖、加工食品の除去
• アマニオイル
• ヘンプシード（麻の実）
• ザワークラウトやキムチなどの発酵野菜

バランス回復（Rebalance）

生活習慣全体の見直しによるバランスの回復です。つまりセルフケアですね。

例えば、瞑想、ヨガ、毎日の運動といったストレスを減らす活動を増やします。手軽に摂り入れられて効果が高いとされている代表的なセルフケアは、マインドフルネスエクササイズや呼吸運動です。

ほかにもセルフケアする方法はたくさんあるので、詳しくは「私のストレス解消法！人生を変えた24のセルフケア方法を公開【一人用】」をご参照ください。

なお、私がリーキーガットを治したときは、上記の方法を自分なりにアレンジした方法を試しました。アレンジした理由はそのほうが治療的にしっくりきたからです。その方法については「【腸カンジダ・SIBOにも効く】リーキーガット症候群を改善する究極マニュアル」の後半部分で解説しているので、よろしければご覧ください。

方法②：断食する（腸の休息）

人間の体は、空腹時に自己修復と再生の仕事を行います。この作用を「オートファジー」と呼びます。オートファジーのスイッチをONにするには断食が不可欠です。

「オートファジー」がONになると、新しいエネルギーを取り込み、細胞を再生し、老廃物を排出します。

ただし、断食といってもいろいろな種類があります。なかでもカンタンなのが16時間断食。16時間断食はその名のとおり「16時間断食して8時間のあいだは好きなものを食べる断食法」です。断食中は睡眠時間も含まれるので、難しいものではありません。

コツや具体的なやり方は「【ムリせず-5kg】失敗しない16時間断食のやり方【実は超カンタン♪】」をご参照ください。きっと「自分でもできるかも！」と思えます。

方法③：運動する

私たちの体は、もともと「動くため」に生まれています。それなのに、「座り病」なる現代病に悩まされている人々が大勢いるのはとても残念なことです。私もそのひとりでした。

もしあなたに体を動かす習慣がないのなら、まずはウォーキングやヨガなどの軽めのものから始めてみてください。数カ月試して慣れてきたらHIITなど高強度なものにもチャレンジしてみましょう。

2016年の研究によると、運動は脳内のBDNF（神経栄養因子）の発現を促進し、脳機能を高め、不安やうつ病の発生を減らすことがわかりました。

ほかにも、運動は慢性的な疼痛や疲労を緩和したり、ネガティブな思考から解き放たれることもわかっています。筋肉がつき、骨が強くなることで自信がつくこともあるでしょう。ストレスとは無縁な清々しさも手に入ることも間違いありません。

運動を継続することで、上記のようなメリットが重なりブレインフォグの症状は段階的に減っていきます。これは、運動経験が少ない人ほど顕著に実感できるはずです。

私が運動している理由は体型維持もありますが、何よりもストレス解消目的です。なぜ運動がストレスを解消するのかは「運動がストレス解消に最強な5つの理由【継続のコツもこっそり伝授】」にて詳述しましたのでご参照ください。

方法④：良質な睡眠をとる

良質な睡眠は体のバッテリーを再充電し、すっきりした思考と全身の健康を維持するための不可欠な要素です。睡眠をないがしろにしているというのは、寝不足だけでなく健康という代償も差し出していることを忘れないでください。

良質な睡眠を確保するために今日からできる方法は以下のとおりです。

1. （週末含めて）毎日同じ時間に寝て、起きる
2. 夜遅くのスマートフォンやパソコンの使用を避ける
3. 運動習慣を身に付け、体を適度に疲れさせる
4. 就寝3時間前には夕食を済ませる
5. 17時以降にカフェインを摂取しない
6. 就寝の90分前にぬるめのお湯でゆっくり入浴する
7. 就寝前のお酒やタバコ、コーヒー、緑茶等は避ける
8. 寝室を快適な温度（18℃程度）に保つ

これらを試すことで今よりも質のいい睡眠を確実に手に入れることが可能です。結果、不眠によるブレインフォグ問題は解決します。

しかし、これらを試しても「寝つきが悪い」、「睡眠の質が低い」、「そもそも体内時計がくるっている」という方がいます。その場合はサプリメントが解決の糸口になるかもしれません。詳しくは「【睡眠の悩みを全て解決】深い睡眠、寝つきの良さ、体内時計を整える最強サプリ8選」をご覧ください。

方法⑤：日光を浴びる習慣を身に付ける

太古の昔から、太陽の光は生命の源となってきました。なぜなら、日光に当たることにより体内でビタミンDがつくられるからです。ビタミンDには「うつの予防、体内時計の調整、カルシウムの吸収率を高める、免疫力を高める」といった重要な機能があります。

しかし、近年では、日光が皮ふのシミや皮膚がんなどにならないために、人々は日光を避ける傾向にあります。そして皮肉なことに、ビタミンD不足という別の健康問題を引き起こしているのです。

ビタミンDを生成するために必要な日光浴の時間は、季節や場所によって異なりますが、夏であれば15〜30分程度です。ただし、過剰な日焼けによる肌の悪影響や、紫外線による皮膚の老化などのリスクを極力避けたいのであれば、ビタミンDサプリの導入も有効な手段となるでしょう。

ビタミンDサプリはステップ⑥でも取り上げていますのでご参考ください。

方法⑥：ブレインフォグに有効なサプリを試す

ブレインフォグに有効とされているサプリは以下のとおりです。

• ビタミンD
• オメガ3脂肪酸
• マグネシウム
• ビタミンC
• ビタミンB群

ビタミンやミネラル、オメガ3と、健康意識の高い人なら当たり前に摂っているものばかりだと思われたかもしれません。

確かに、ほかにもブレインフォグに有効なサプリは選択肢としてたくさんあります。しかし、上記の栄養素をシカトして他のサプリに手を出すのは、とってもビミョーなのです。

いくら肥料を入れても、そもそも水がなければ育たない植物と同じように、基礎的なサプリ（水）が足りていないのに、ハーブやヌーロトロピックなどのサプリ（肥料）から手を出すようなもの。

まずは上記が体内の細胞に満たされたうえで他のサプリメントを検討することが回復の近道です。焦らずいきましょう。

詳しい解説やおすすめサプリが知りたい方は「【最新エビデンスあり】ブレインフォグを解決するおすすめサプリ5選【iHerb（アイハーブ）】」をご覧ください。

おわりに：ブレインフォグの完治は難しくない！

いかがでしたでしょうか。
これらの方法を複数試せばブレインフォグの完治はそう難しくないはずです。

特にステップ①、③、④、⑥なんかは確実に効果を実感できるでしょう。左記の番号のどれかから試してみることを強くおすすめします。1つでダメなら2つ、3つと取り組んでみてください。必ず治ります。

少なくとも私はこれらを実践して克服しました。
いまでは、毎日思考がクリアで、やりたいことができる日々を過ごしています。

これらの方法があなたの参考になれば幸いです。
最後になりますが、あなたの脳霧が晴れることを心よりお祈り申し上げます。