- WHMの全体像を知りたい
- 超人に近づきたい
我らが祖先は実にタフな奴らでした。
毎朝、氷のように冷たい川で水浴びを楽しみ、雪山を短パンで駆け上がりました。
でも今や私たちは薄っぺらな現代人。
夏も冬もエアコンなしでは動けないという有様です。
昔の人に見られたら笑われるレベルです。
本来、私たちの体には、寒暖の変化に合わせて体温を調整するスゴイシステムが備わっています。血管を締め付けたり緩めたり、脂肪を燃やした熱を全身に回したり。これにより、全身を温めたり冷やしたりできるのです。
ところがエアコン生活がそのシステムを全然使わせてくれない。馬鹿みたいに体が温度調整能力を忘れてしまったんですよね。
そんなふぬけた現代人のために、オランダの超人「ヴィム・ホフ」が打ち出したのがWHM(ヴィム・ホフ・メソッド)です。ヴィム・ホフは、寒冷地での生存記録を更新するなど、数々の超人的な記録を持つ「アイスマン」と呼ばれる男。
そんな男が作り上げたWHMは以下の③つの柱からなります。
- 呼吸法
- 寒冷暴露
- マインドフルネス
WHMを実践することで、前述した「温度調整能力」だけでなく、免疫力、ストレス耐性、集中力、モチベーションなどを格段に高めることができます。つまり、「種」としてのレベルが向上するのです。
本記事では、ヴィム・ホフの功績を紹介しつつ、WHMの3つの柱をカンタンに解説します。3つの柱の極め方はそれぞれに詳細記事をご用意しておりますので、そちらをご覧ください。
もしあなたが超人を目指しているならこの記事は必読です。
私もまだまだ超人への道は遠い。しかし、WHMを続けていれば超人への道は必ず開けると確信している。なぜなら、ヴィムホフの弟子たちがそれを物語っているからだ。
アイスマン「ヴィム・ホフ」の超人的エピソード
私が尊敬するヴィム・ホフ(Wim Hof、1959年4月20日 )は2023年現時点で64歳のおじいさんです。
ヴィム・ホフはオランダのアスリート兼「エクストリームスポーツマン」です。「エクストリームスポーツマン」とは、速さや高さ、危険さや華麗さなどの「過激な (extreme)」要素を持った、「離れ業を売りとするスポーツの総称」です。スタントマンとかもそれに類します。
では、ヴィム・ホフが具体的にどのような功績を上げてきたのか見てきましょう。
「只者ではない」ことが一瞬で分かります。
2000年:厚い氷の下を57.5m泳いだ(初日は50mほどで角膜が凍ってしまい、出口が見えなくなりレスキューダイバーに助けられて失敗。しかし、翌日ゴーグルをつけて再挑戦したらクリア!!)
再チャレンジ
2007年:北極圏直下の街フィンランド・オウル市の雪の中を裸足でハーフマラソン(約21km)を完走した(2時間16分)
2007年:キューブ状の氷で満たされたコンテナの中に顎まで70分35秒浸かる(2015年には112分42秒まで更新)
2007年:海パンとサンダルでエベレストを標高7400mまで到達した
2011年:ナミブ砂漠(摂氏40度)で水を一滴も飲まずにフルマラソン(約42km)を完走した瞬間にビールを飲んだ。(その過程で14キロも体重が減ったそう)
2014年:26人の海パン姿のグループでキリマンジャロ(5,892メートル)を登頂した
特筆すべきは、これら全ての挑戦を笑顔でこなしたことです。
つまり、彼にとっては、苦難ではなく楽しいチャレンジでしかなかったのです。
ノーレコードですが、他にもヴィム・ホフの逸話があります。
- 10か国語を話せる
- 約10分間息を止めていられる
- 過去38年間、1日1食しか食べていない(夕方6時以降)
- 指一本をつかみに引っ掛けて高さ2,000メートルで体を吊るした
どれにおいても並みの常人にはできないことです。
これらのエピソードからわかることは、冷たさだけでなく、熱さへの耐性、忍耐力、持久力についてもトップレベルで兼ね備えていることです。
冷たさに対するチャレンジが多いことからアイスマンと呼ばれていますが、結局は超人と呼ぶほうが彼を形容するにはふさわしいのです。
WHMを実践することで、ヴィム・ホフレベルとはいえないまでも、キリマンジャロを共に登頂したクルーレベルにはなれることには違いない。つまり、通常の訓練でも「準・超人」くらいにはなれるということだ。
ヴィム・ホフ(超人)に近づくための絶対条件は「3つの柱」
WHMは「3つの柱」からなります。
- 呼吸法
- 寒冷暴露
- マインドフルネス
ヴィム・ホフはアイスマンと言われているから寒冷暴露しか印象にないイメージが多い。しかし、彼を語るにあたって、呼吸法とマインドフルネスも絶対に外せない。この3つが1つになって彼が生まれるのだ。
1つ目の柱:呼吸法
WHMの最初の柱は呼吸です。というより、WHMはこの柱無くしてあらず。大黒柱です。
私たちはただ漠然と呼吸をしています。
しかし、呼吸の驚異的な可能性についてはほとんど気づいていません。
WHM呼吸法は、特定のリズムで深呼吸を繰り返し行うことで、酸素摂取量を最適化し、体内のエネルギーを高めることが最大の利点です。
私は、この呼吸法で以下のような効果を実感しています。
- 物事へのやる気がアップした
- 冷水シャワーの難易度が下がった
- 呼吸が深くなったことでストレスが激減した
詳しい、やり方や効果を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
2つ目の柱:寒冷暴露
私にとって寒さは神だ。私は寒さに耐えるのではなく、寒さを愛しているのだ。
ヴィム・ホフ
WHMの2本目の柱は「寒冷暴露」です。こちらのほうが有名かもしれませんね。
「寒さ」「冷たさ」を利用することで、以下のような効果が得られる事がわかっています。
- 若返る
- 痩せやすくなる
- うつ病を予防・改善する
- 仕事の生産性を爆上げする
- 血行が改善してエネルギーが沸く
- 超回復を促す(治癒力が上がる)
- 免疫力が上がり風邪を引かなくなる
- 肌と頭皮を引き締めることができる
- レジリエンス(精神的回復力)を高める
やり方や効果をここでお伝えすると非常に長くなりますので、以下の記事を参考にしてください。
3つ目の柱:マインドフルネス
3つ目の柱はマインドフルネスです。
この部分を「瞑想」「マインドセット」「マインドシフト」と捉える人もいますが、どれも正解です。重要なのは、言葉の正しさではなく、心の変容です。
意識的にWHMの呼吸と冷水を続けていくと、心がマインドフルネス的になります。つまり、3つ目の柱は、呼吸と冷水によって自然に鍛えられていくということです。
ただし、「気付く」ことが大事になります。
具体的にいうとマインドフルネス的に呼吸と冷水に接するということです。
私も、呼吸と冷水によって「自分」と「感覚」を別にすることが容易になってきました。
- 「私」という存在と、「冷たいと感じている自分」は別。
- 「私」という存在と。「息苦しいと感じている自分」は別。
このように客観的に自分を見つめられるようになったのです。
すると、その冷たさが「イヤなもの」から「ありがたいもの」に変わりましたし、呼吸も「あたりまえのもの」から「気持ちいもの」に感じられるようになりました。
そしたら、日常でもマインドフルネスな自分になってきたように感じられる出来事が増えてきました。
- 自分の限界をより明確に把握できるようになった
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WHMを通して、普段は意識しにくい自分の精神的、肉体的な限界に気づくことができるようになりました。そして、衝動的な心をコントロールし、飽くなき考えに流されない自分を育てることができました。
- 他者への感謝の気持ちが深まった
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WHMを始めてから、感謝の気持ちが以前にも増して強くなりました。困難な状況でも前向きになれるし、大切な人への愛情を深く実感できるようになりました。おそらく、「自分の心に余裕ができた」ということでしょう。
- 自分の内なる無限の可能性を発見できた
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長期の実践を通じて、自分の中で眠っている可能性の大きさに気づきました。この「眠った力」を探求し続けることで、自分と他者の成長を促す存在になれると信じられるようになりました。
今はこんな偉そうなことを言っていますが、もちろん、はじめてのころは、散々でした。
- 冷水シャワーをしているときは「騒ぎまくる、逃げたい衝動に駆られる」
- 呼吸を止めているときに「膝を叩きまくって苦しさを紛らわす」
あなたも、呼吸と冷水を通して自分のマインドフルネスを取り戻してください。
なお、マインドフルネスな感覚がよくわからないという方は、瞑想の練習から始めてみるといいかもしれません。詳しくは「【初心者向け】マインドフルネス瞑想のやり方【みるみる人格が変わります】」をご覧ください。
【修行に辛くなったときに読んで欲しい】ヴィム・ホフの名言集
さいごに、みなさんのWHM成功を願って。そして、修行が辛くなって諦めそうになったときのあなたのために、ヴィム・ホフの印象に残った言葉を名言集としてまとめて見ました。
「寒さに抵抗しなければ、毛細血管も開いて、血液の循環がよくなり、心臓が強くなるんだ。脳により酸素が行き渡って、思考も広がる。『運命の扉』を開くのは自分自身なんだ」
ヴィム・ホフ
関節炎、クローン病、乾癬、うつ病 – これらの病気はすべて、私たちが無視した生化学の結果です。病気と闘うためには、私たちを刺激する必要があります。寒さは素晴らしい刺激物です。
ヴィム・ホフ
呼吸法と冷水浴といった寒冷を利用することは、そうではなかった場合に可能だったはずのパフォーマンスを大きく向上させる。
ヴィム・ホフ
人間には、無限の精神の力がある。何でも起こせるのだ。
ヴィム・ホフ
私たちは、もはや自然と接触していないので、自分自身の奥深い生理現象から遠ざかってしまった。その代わりに、大気汚染や暖房、技術で自然を操作している。でもそのうちに、自分のなかに刺激が必要な奥行きがあることに気づかなければならない。刺激されなければ、それは使われなくなった筋肉のように弱くなっていくのだ。
ヴィム・ホフ
仕事や生活によって、あなたの真の奥行きは、あなたにとって異質なものになり得る。直感や本能は埋もれてしまう。
ヴィム・ホフ
私にとって、神とは寒さなのだ。
ヴィム・ホフ
冷水は容赦がなく、正しい。
ヴィム・ホフ
私はジムに通うことをせず、たまたまその場所が庭であれ家であれ、そこでエクササイズする。
ヴィム・ホフ
私に師匠などいなかった。唯一の教師は、過酷な自然そのものだった。
ヴィム・ホフ
自分の体温を必要に応じて調整できるような、体内に温度調節装置があるかのように感じることができる。
ヴィム・ホフ
数学の問題を集中するように、自分の体の特定の場所にフォーカスし、熱を発生させることができる。
ヴィム・ホフ
酸素がなければ、筋肉は酸性になり、もう動けなくなる。
ヴィム・ホフ
医療業界全体が、私たちに病気になってほしがっている。
ヴィム・ホフ
このように公園を散歩していると、氷を見つけて、「そこに入ったらどうなるだろう」と思ったものだ。本当に魅了された。中に入り、服を脱いだ。30秒その中にいた。出て来たときはすばらしい感覚だった。それから毎日、それを繰り返した。
ヴィム・ホフ
おわりに:誰しもが潜在的に持つ超人性を呼び醒まそう!
私たちの中にも、先祖が獲得した”タフな遺伝子”が眠っています。
その”タフな遺伝子”が、WHMを通じて、その超人的な可能性を再び引き出すことができるのです!
今こそ、あなたのDNAに刻印された先祖の力を呼び覚ましましょう。たかだか数分の簡単な呼吸法で、人生が一変するかもしれません。何故なら、WHMは単なる身体訓練ではなく、精神活動そのものを刷新させるから。今を生きる現代人にこそ、このメソッドは必要不可欠なんです!
ぜひこの機会に、眠っているあなたの可能性にチャレンジしてみてください。ヴィム・ホフのような超人的な記録を出すことは難しいでしょうが、きっと新たな世界が開けるはずです。
自分を変革する驚くべき一歩を、今日から踏み出してみてはいかがでしょうか。