最近あなたが感謝したのはいつですか?
「飲食店でご飯をもってきてくれた店員さんに心から感謝をしていますか?」
「ミンティアを一粒くれた友人に感謝しましたか?」
口では「ありがとう」と言えるけど、心からの感謝ってなかなか出ないですよね。私も潜在的に気恥ずかしさや、そんなのしてくれてあたり前のゲス精神を持っていたせいでなかなか心から感謝ができませんでした。
しかし、今では、ブログを書けること、息をしていること、寝たら起きること、あらゆることに感謝する「感謝体質」です。感謝しよう!と思ってしてるのではなく、湧き出てくる感じ。
感謝には、ストレス解消、健康増進、人間関係の向上など、人生が180度変わるようなメリットがたくさんあります。しかも、感謝に関する研究はかなり進んでいて、それぞれのエビデンスの質も高いです。
とはいえ残念ながら、感謝の効果を知ったところで、「よし!じゃあ心から感謝しよう!」と一朝一夕で身につくわけではありません。
そこで今回は、感謝のメリットを伝えた上で、「感謝の質を高める方法」をレクチャーし、「感謝を確実に習慣化する方法」をお伝えしてきます。
この記事を読むことで、あなたは「真の感謝体質」を習得し、今よりも数千倍素晴らしい人生を歩む一歩を踏み出せるようになるでしょう。
感謝の絶大な5つのヤバい効果。
カリフォルニア大学デイビス校の心理学者Robert Emmonsは、「感謝日記(感謝の気持ちを日々綴る)」などの行為を継続的に行っている8歳から80歳までの1,000人以上を対象に調査を行い、それらの人々に以下のような変容が見られたことを報告しています。
[身体的効能]
- 免疫力アップ
- 痛みの軽減
- 血圧の低下
- より運動し、健康管理に努める
- よく眠り、目覚めが良い
[心理的効能]
- ポジティブ感情の高まり
- より注意深くなり、覚醒する
- より楽しさや嬉しさを感じる
- 楽天性や幸福感の高まり
[社会的効能]
- より他者を助け、寛容で、慈悲深くなる
- より他者の過ちに寛大になる
- より外交的になる
- 孤立感や孤独感の軽減
これらの効果は、日記だけにとどまらずお礼の手紙を書いたり、人に感謝の言葉をかけたりすると、感謝の念を持つことでも同様の効果が得られることが可能です。ここからは感謝の習慣を身に付ける具体的な方法についてレクチャーしていきます。
感謝の習慣を身に付けるための7つの方法

感謝の習慣を身に付けるには以下のような方法があります。
- 毎朝、3つの問いに答える
- 毎晩、感謝日記をつける
- ベッドに入って「感謝できること」を思い浮かべながら眠りにつく
- 「感謝できるチャンス」を探す
- 周りを巻き込んで感謝をゲーム化する
- 誕生日に感謝のLINEを送る
- 感謝を心の「初期設定」にする
どれも強力な方法なので、一つだけやっても効果は絶大です。感謝は筋トレと同じ。これらを実践して、感謝の感度を高めていきましょう。
1.毎朝、3つの問いに答える
感謝を習慣化するためには、感謝について以下のようなことを毎朝起きたときに考えることが重要です。
- 何に感謝しているか?
- きょうをすばらしい一日にするために何ができるか?
- きょう自分はどんな人間でありたいか?
朝一にこの問いに答えることで、「初頭効果」を利用できます。初頭効果とは「最初に与えられた情報がその後の情報にも影響を及ぼすという現象」です。つまり、朝起きてすぐ行ったことは、それに要した時間以上に大きな効果を一日中持続させることになります。
2.毎晩、感謝日記をつける
「どんなささいなことでもいいから眠る前に3つよかったことを書く」という、幸福度を高める日記術「スリーグッドシングス」というものがあります。
その「感謝バージョン」が感謝日記です。内容はいたってかんたんで、「どんなささいなことでも3つ感謝できることを書く。」と、スリーグッドシングスの感謝バージョンです。
人は考えていることの一部を口に出します。常日頃、感謝のことを考える時間を設けていない人は口から感謝がこぼれてしまうなんてことは起こりません。だから毎晩、自分は何に感謝したのかを書き記しましょう。
これを続けることで、感謝に対するアンテナがビンビンになります。
3.ベッドに入って「感謝できること」を思い浮かべながら眠りにつく
人はネガティブなことに引っ張られやすいです。特に寝る前は何もしていないわけですから、嫌なことを考えがち。そこでおすすめなのが、ベッドで横になり、目を瞑りながら感謝できることを意識的に思い浮かべることです。
「今日も生きていることに感謝」、「生んでくれてありがとう」、「今日もたくさんのお客様の笑顔が見れた、ありがとう」など、どのようなことでもいいです。
そのときにふと嫌なことを思い出しても大丈夫。
嫌なことのなかにも感謝できることを見つけてあげて相殺すればいいのです。
例えば、「今日、親にめっちゃディスられて腹立った。あんな言い方ってない」→「でも、親も自分のことをめちゃくちゃ心配して言い過ぎただけかもしれない。それに確かに親の言うことも一理あるな。気付かせてくれてありがとう。」とか、「コンビニの定員のおつりの渡し方がなんだか気に食わなかったな、ちくしょう」→「あの人がいなければ、自分はあのコンビニで欲しいものを買えなかったかも。生きててくれてありがとう。」とか。
感謝で締めることで、安らかな気持ちで眠れるだけでなく、寝起きもよくなります。
4.「感謝できるチャンス」を探す
感謝できることをチャンスと捉え、目を光らせる。いいじゃないですか。
これは自分の感情をごまかして感謝をひねり出すという話ではなく、感謝すべきものを注意深く探すということです。それはそれは探せば無数に見つかります。
- 朝日の光への感謝
- 今日も生きていることへの感謝
- 親が自分を生んでくれた感謝
- いつもより5分早く出社できたことの感謝
- 褒めてくれた上司に対して感謝
- コンビニの店員さんが商品を渡してくれた
- 飲食店の店員さんがご飯をつくって運んでくれた
予定がない日に、あえて散歩に出かけ、感謝の対象を探すのも面白いかもしれませんね。
この習慣は日常で取り入れることもおすすめしますが、嫌なことがあった日や、ネガティブな気分になったしまった場合にも有効な方法です。
5.周りを巻き込んで感謝をゲーム化する
夕食の席などで家族で感謝をシェアするといったゲームをするのもいいかもしれません。
- ルール1:感謝する内容は、前に出たこと以外であること
- ルール2:その日に起こったことと関係があること
- ルール3:他の家族が挙げたこととは違うことを話すこと
感謝をこのようにゲーム化することで、家族との絆が深まるだけでなく、1日をポジティブに振り返ることができます。
6.誕生日に感謝のLINEを送る
大きなことでも小さなことでも構いません。
あなたの人生に何か良きものを与えてくれた人に対し、感謝のLINEを送りましょう。その人が自分にしてくれたこと、与えてくれたことを書いて送るのです。
これ、もらう側になって考えたらめちゃめちゃ嬉しくないですか?
きっと相手はそんなこと覚えてないかもしれませんが、自分は覚えている。それを伝えるのが大事なのです。これがきっかけでその人との関係が深まったなら、それまたラッキーです。
感謝を心の「初期設定」にする
さきほどもちょっと書きましたが、「感謝は学習でき、伸ばしていけるスキル」です。
日々の練習で、感謝はあなたの神経にまで刷り込まれ、ポジティブ思考のスイッチがオンの状態になります。
つまり、感謝すればするほど、あなたの心の初期設定 はネガティブではなくポジティブになるということです。
例外なく、「まずは感謝から始める」ことを徹底すれば、利害を超えた関係を築くことも容易になるでしょう。
感謝の効果(質)をさらに高める5つの方法

感謝、感謝、感謝。
感謝が大事なのはわかったけど、嫌いなヤツには感謝できない!とりあえず口だけ言っておけばいいの?てか、感謝してるけど、さっきいってた「メリット」をそこまで感じないし!!
と思う方がいるかもしれません。
その方々は、過去の私のように感謝の最大限のメリットを受け取れない状態、いわゆる「感謝の質が低い」状態だと思われます。
どんな人にもただとりあえず感謝をしとけばいいという考えでやりはじめると、ばかばかしくなったり、本音じゃないことを言っている自分に対し、自己嫌悪に陥り、逆効果になることもあるのです。(これを感謝のジレンマと名付けたい。)
そこで、ここでは「感謝の効果(質)を高める方法」をお伝えします。
感謝の質が上がれば、心から感謝でき、はじめに述べたメリットをもれなく受け取ることができるでしょう。
1.マインドフルネスを実践する
感謝が少ない人のなかには、「忙しすぎて感謝をする暇もないと思い込んでいる人」が存在します。あわてて仕事に取り掛かったり、せっかちだったり、完璧主義だったりする人。
そんなあなたが感謝の質を高めるには、マインドフルネスをおすすめします。マインドフルネスとは、 「心を今に向けた状態」です。
階段を上るときは、一段ずつ踏みしめる足の感覚を意識する。歩いているときは樹木や花、歩道の割れ目から顔を出している雑草に命を見る。文字どおり立ち止まって、空気を思いっきり吸って味わう。
ささやかな”今”に対し、喜びを感じ、感謝する。
そうすることで、小さな感謝に気付けるようになり、人生の質は想像以上に高まることを実感するはずです。
2.感謝の対象を視覚化する
感謝していることは、言葉よりも視覚化することをおすすめします。
例えば、「きょう遊んだ友達に感謝する」と言葉で考えるのではなく、「自分が友達とクレープを食べながら楽しそうに会話をして、相手はワクワクしながら自分の話を聞いてくれている光景」を思い浮かべるのです。
人間の脳は優秀ですから、これを思い浮かべるのに数秒もあればじゅうぶん。
この方法を使えば、感謝をより鮮明に、身近に感じるはずです。
3.どんな酷い状況からでも感謝できることを見つける
うまくいっているときに感謝をするのはいたってかんたん。ですが、ひどい状況や腹の立つ状況に感謝するのはムズかしいですよね。ですが、身体に「危険ではない、安全だ」というサインを送るには、「感謝」することが一番効率がいいのです。
だから、理不尽なことが起きたら、「もっと悪い状況だってあり得たのだ。だから感謝しよう」。
最初はバカバカしくなるかもしれません。感情に流されて怒りをぶちまけることもあるかもしれません。ですが、感謝は学習によって伸ばしていけるスキルです。そう、技術なのです。
私の例を出すと、「生活環境が悪くて体がボロボロになったけど、それでも生きている。人間の体ってまじで凄い。ありがとう。」、「せっかく稼いだ大金が一瞬で失ったけど、また新しいことを始められるチャンスを与えてくれてありがとう。」、といった具合です。
実際、前者の例のおかげで身体をいたわることを覚え、健康意識が著しく上がりました。そして不健康になる以前よりも健康になりつつあります。後者の場合でも、安直な稼ぎ方で逃げることをやめ、自分でチャレンジをし、フリーランスとして独立することができました。
(私はまだまだですが…)感謝を極めた人は、心無い人に軽視されたり侮辱されたりしても気にならなくなるそうです。
その根幹には、「自分は感謝と許しに繋がるストーリーか、腹を立て続けることになるストーリーかを選べるのだ。嫌なヤツにさえ感謝と同情の気持ちを抱ければ、相手の行動にエネルギーを奪われることがなくなり、幸福度がアップするんだ。」という思考があるのです。
日々の練習で感謝を歯磨きと同じくらい「しなきゃきもちわるい」レベルまで精度を高めましょう。すると、少しずつですが、その根幹に我々も近づくことができます。
colum:”中途半端”な赦し(ゆるし)は感謝にとっては逆効果
心無い人にも感謝するためには、相手を「赦す(ゆるす)」力も必要です。「赦す」とは、「相手の罪や過失を無条件に責めないことを選択すること」です。わたしたちのほとんどは、残念ながら「中途半端に赦す」という過ちを犯しています。
例えば、「あいつは、俺のことをバカにしてきた!!それはあいつが俺より頭がいいと思っているからだな…まあ許(赦)してやろう」といったように、「自分のことをバカにしてきた相手を、感謝できるストーリーもないまま赦すという過ち」を指します。
これは正しい方向への一歩にはなります。ですが、感謝の利益は激減するので勿体ないです。「赦したと考えることと、赦したと感じること」には雲泥の差があります。
あなたには、「赦した」と感じる経験をしてもらいたいのです。
相手を本当の意味で赦せないと、ポジティブな感情が妨げられるし、無視するのにもエネルギーが必要です。だれかをこっそり憎むようなら、自分も周りも幸せにできません。
だからこそ、先ほども申し上げたとおり、「嫌なヤツにさえ、感謝と同情の気持ちを抱く解釈をすること」を意識してみるのです。
コインに表と裏があるように、どのような出来事にもネガティブな側面とポジティブな側面があります。
あなたが意識的にポジティブストーリーを選ぶようになれば、自然に感謝できるようになり、相手のちょっとした失礼などは簡単に赦すことができるようになるのです。
4.ネガティブな感情も受け入れる
これまで説明した内容で、感謝はするべきだということは重々感じられたかと思いますが、何がなんでも感謝しようと自分に無理強いしてはなりません。
なぜなら人間は、つねに幸せでポジティブでいることなど不可能だからです。どうしようもなくつらいときは長い人生の中では必ず何度もあります。
そんなときにはネガティブな感情もそのまま受け入れることも、ときには必要だということを理解してください。そうすれば、時間が解決してくれ、当時のネガティブなことも成長のきっかけとなり、自然と感謝できるようになるときが必ず来ます。
大事なのは、一度受け入れること。そうすればものごとのポジティブな面にも気づくことができるのです。
5.感謝の言葉にバリエーションを持たせる
感謝は好意の印です。でも、毎度「ありがとう」と言うだけでは、「ほんとうにこの人感謝してくれているのかな?」と相手に不信感を与えてしまう場合もあります。
そのためには、ありがとうのバリエーションをもつことをおすすめします。
- お礼申し上げます
- 恐縮です
- おかげさまで
- 痛み入ります
- 感謝の言葉もありません
ポイントは、”何に対しての感謝なのか”を明確にすることです。
おわりに:真の感謝を伝えよう

いかがでしたでしょうか。
簡単に見えて実は奥が深い感謝の世界。
感謝の量はもちろん大切ですが、質も大事だということがお判りいただけたかと思います。
これを知って、終わりにしてはなりません。
この記事を閉じた瞬間、あなたは何に感謝しますか?それではまた。