- 頭のもやもやを無くしたい
- 今よりも頭の回転を上げたい
- 創造力や決断力をもっと高めたい
なぜあの人は即断即決できるのか―。
なぜあの人の頭の回転はあんなにも速いのか―。
今回は、東京大学を卒業し、マッキンゼーというエリート企業で120人以上の人材育成を行ってきた赤羽雄二の著書「ゼロ秒思考」で書かれているメモ術のやり方について紹介します。
このメモ術は、筆者が何万ページもメモを書き続けて、やっとたどり着いた思考整理の最高峰の境地です。
実際に、私がゼロ秒思考で書かれているメモ術を3000枚ほど試して得られたメリットは以下のとおり。
- 決断スピードが上がった
- あらゆる悩み事が「ネタ化」した
- 最も基本的な「考える脳力」が鍛えられた
- 新たな切り口から物事を見れるため、斬新なアイディアや解決法が浮かんだ
- 思考・感情のモヤモヤ書き出すことで、生産性の向上やストレス指数を改善した
いちばんよかったことは、あらゆる悩み事が「ネタ化」したことです。もはや「悩み事=ネタ=ご褒美」という思考回路。しかも、悩み事を具体的に解決する方法が凄い速度でわかる。ありがた過ぎます。
ゼロ秒思考のやり方は死ぬほどシンプルなところなところも大きな魅力です。今日から誰でも始められます。
仕事人としての実力を1段階2段階とレベルアップしたい方はこのまま読み進めてみてください。
赤羽氏いわく、効果が実感できるのは「3週間継続」してからだそうです。じょじょに、「仕事の生産性」があがり、「対人関係」がうまくなり、「心が澄み切る」感覚を得られるという。
ゼロ秒思考で事前に準備しておくものは5つある
赤羽メモをする際に用意しておくものは以下の7つ。
いきなり全部そろえるのはメンドイと思うので、初めのうちは「A4用紙とペン」だけでもOKです!やりはじめると紙が溜まってくるので、続ける意思があるなら「クリアファイル+ラベルシール+メモ用紙入れ+A4のファイルケース」をAmazonや100均で揃えましょう。
タイマーについてはスマホでもいいが、毎日続けると”ちょっとした準備”がおっくうになる。その準備を省略化するためにも、100均のキッチンタイマーがあると習慣化もしやすい。他のアイテムについては後述する。
ゼロ秒思考で書く内容は「なんでもいい」
ゼロ秒思考のやり方を一言で説明します。
A4の紙に、頭に浮かんだことを1分間で書く。これを1日10枚行います。
これを続けるだけで、思考のスピードが文字どおり「ゼロ秒」に近づいていきます。(具体的なやり方は、後のパートで詳しくお伝えします)
そして、肝心の書くお題については、なんでもOK。とにかく自由です。といわれても、逆にわかりにくいと思いますので、本書では以下のようなネタを書くことを推奨されています。
- 将来ビジョン、やりたいこと
- 人とのコミュニケーション
- チームマネジメント
- 新しいアイデア
- 考えたこと
- 情報収集
- 聞いた話
- ミーティング
ほかにも、あなたが現在、悩んでいることや、実行してみたいこと、深く考えてみたいことなど、なんでもいいのでテーマを決めます。
私の場合、具体的に以下のようなことをテーマに設定したことがあります。
- 集中力が途切れたらやることリスト
- 自分の母親のいいところ、わるいところは?
- どうすれば毎日8時間の仕事時間をより充実させられるか?
- パートナーの誕生日プレゼントで喜んでくれそうなものは?
- APEXでもっとキャラコンを上達させるためにやるべきことは?
ある程度メモが溜まってきたら「メモに書いたこと」が新たなお題になるのでネタに困ることは無くなるはずです。
つぎに具体的なやり方について深掘りいく。
ゼロ秒思考の具体的なやり方を7ステップで詳しく解説!
具体的なやり方は以下の7ステップで行われます。(上の図解を見ながら確認するとわかりやすいです)
- A4用紙を横置きにする(裏紙推奨)
- タイトルと日付を書く
- 1分以内で4〜6行、各行20〜30字書く
- 毎日10ページ書く(=毎日10分)
- 書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理する
- 書いたメモは3ヶ月、6ヶ月後にサッと読む
- メモは捨てずにできるかぎり保管する
死ぬほど汚い文字ですけど完成図はこんな感じ。
他人に読まれることを想定していないから、マジで汚くて泣きたくなるレベル。でもそれでいい。
ほかにも例を挙げてみましょう。「どうすれば毎日8時間勉強を続けられるか」というテーマだったら、「朝5時半に起きる」「ゲームをやめる」「朝はスマホを見ない」「図書館やスタバで勉強する」「夜は22時に寝る」「1日2時間夕食後は好きな映画やYouTubeを見て息抜きする」といた具合。
とにかく直感に従って、解決策を提案していきましょう。
つぎに、なぜ上記のようなやり方をするのか、その理由について1つずつ触れていきたいと思います。
STEP①:A4用紙を横置きにする(裏紙推奨)
大前提として、本書のメモ術の基本は「かならず紙で書く」ということです。現代のビジネスマンの多くは、パソコンやスマホでメモを取ると思います。ちなみに日記帳やノートもダメです。
赤羽メモにおいては「紙だけ」を利用します。その理由は5つ。
- そもそも赤羽メモはPCやスマホだと再現できない
- 日記帳やノートだとあとでカテゴリ分けできない
- スマホだとSNSやアプリなどの誘惑に流されやすい
- パソコンは立ち上げるのに時間がかかる
- そもそもイメージを書くときは紙に書いた方が手っ取り早い
ここで押さえておくべき点は2つあります。
それが、「必ずA4サイズの用紙で書くこと」と「なるべく裏紙を使うこと」です。
必ずA4サイズの用紙で書く理由
赤羽雄二は、さまざまな紙の大きさでこのメモ術を試してみた結果、A4用紙が一番最強だと断定しています。以下は、著者がA4用紙にこだわる理由です。
A4用紙には1分で書きなぐるのに十分なスペースがある。逆にB5だと自由に書きなぐるには若干小さく、思考にブレーキがかかる。A3だと書ききれないからムダになるし、空白が埋まらないことがストレスになりかねない。(人は空白を嫌う)
あとで紹介する「ファイル整理」という観点からみても「A4サイズで最適化されている道具が多い」からおすすめです。
なるべく裏紙を使う理由
「なるべく裏紙を使う」理由は「気にせず自由に書くため」です。
裏を返せば「紙をじゃんじゃん使うことに抵抗がない方は新品のA4用紙を使いまくってもいい」ということ。
私も裏紙がないときは、気にせず新品のA4のコピー用紙に書き込んでいます。どうせ死ぬほど書くので、思い切って大容量のものを買うとお得です。(先に投資しておくことでモチベーションにもなります)
とはいえ「紙を無駄遣いしたくない」という気持ちがあると、どうしても戸惑いますよね。私も最初に新品の紙を湯水のように使うことには抵抗がありました。1円を投げまくっている感じがして…。
でも赤羽雄二の以下の言葉で考えは変わりました。
毎日10ページ書き続けると、6ヶ月で1800ページ、1年で3600ページとなる。これは決して捨てず、取っておくほうがよい。自分の成長の証となる。(中略)メモの存在そのものが思考の積み重ねの証であり、自信の源になるはずだ。
引用:赤羽雄二「ゼロ秒思考」p108
この言葉のおかげで、「ああ、これは自分の”努力の結晶”であり、紙を積みあげるごとに誇っていいものなのだ。」と気づいてからは、新品の紙でも抵抗なく使えるようになりました。
裏紙は普段から「ゼロ秒思考の素材用」として貯めておく場所を作っておくと便利だぞ。私は100均のファイルケースにすぐに置くようにしている。
100均に売ってます
STEP②:タイトルと日付を書く
タイトルと日付を書くことで、メモの内容を明確化し、管理しやすくする効果があります。
タイトルにアンダーラインを引いておくのもルールの1つです。これにより、よりメモが見やすくなり、最大限に活用できます。
私の場合は、本に書かれている方法とは違って、タイトルが思いついたら事前に書いておくことが多いいです。(お題が変すぎてゴメンナサイ…。このころはゲームがうまくなりたくて必死でした笑)
これにより、メモの時間中に「タイトルを考えているうちに時間が過ぎてしまった!」とか、「興味もない、くだらんタイトルしか思いつかん!」といったトラブルが激減します。
STEP③:1分以内で4〜6行、各行20〜30字書く
1ページあたり4〜6行、各行20〜30字を1分以内で書くべき理由は、この量と速度が「ちょうどいい量の情報をスピード感を持って書き込むのに適している」からです。
量が少なすぎると思考が浅くなり、量が多すぎると思考が散漫になります。一方、時間制限を設けることで集中力が高まります。
人は制限された環境下で真の実力を発揮できるので、1分の時間制限を課すことは効果的です。
最初は1分間で書ききれないかもしれませんが、1か月程度でスラスラと書けるようになります。毎日同じ制限に挑戦することで、脳のスピードが自然と鍛えられていくというわけです。
夏休みの宿題も「長すぎる猶予」のせいでギリギリまで取り組めなかったことを思い出した…。人はある程度キツイ制限(夏休み1日前)を意図的にかけたほうが成長が早いというわけだな。
STEP④:毎日10ページ書く(=毎日10分)
毎日10ページ書く。その理由については深く本書では触れられていませんが、以下のようなことが考えられます。
- 思考の深化:毎日10枚書くことで、表面的な考えにとどまらず、深いレベルでの思考が促される。
- 習慣化:継続的な練習によって、思考のスピードと質が向上する。毎日一定の量を書くことで、習慣化するのも狙いの1つ。
- アイデアの多様性:より多くのメモを書くことで、異なる角度からのアイデアや解決策が生まれる可能性が高まる。
- 自己反省と成長:日々の思考や経験を振り返ることで、自己理解が深まり、成長につながる。
- 発想力の強化:多くのメモを書く過程で、発想力が鍛えられ、新しいアイデアが生まれやすくなる。
上記のような理由から、「毎日」「10ページ」書くことが推奨されています。
STEP⑤:書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理する
ゼロ秒思考では、書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理することが推奨されています。その際には、書いたメモをざっくりと眺めることで、メモ時の思考や感情のパターンや傾向を振り返ることができます。
このように、内容別にカテゴリ分けします。
人によってカテゴリの内容も数も千差万別。最終的には5~10カテゴリくらいで落ち着くはずです。
10枚の紙を整理するだけなので、3分ほどで終わる作業です。習慣化さえしてしまえば一切負担になりません。
ちなみにシールとクリアファイルはAmazonで購入しました。
クリアファイルは業務で意外と使うことが多くて100枚あって丁度よかった。人にあげれるし。でもラベルシートは多すぎた。業務で使わないなら正直いって25シートでも十分すぎるほど。
STEP⑥:書いたメモは3ヶ月、6ヶ月後にサッと読む
このメモ術を続けていくと、膨大な紙のメモが溜まっていきます。
3カ月毎日10枚書くと900枚、6か月で1800枚にも上ります。
それらのメモを3ヶ月、6ヶ月後にササッと眺めてみてください。
メモを見返すことで、自分の成長や変化を確認することができます。また、過去に書いたメモから新たな気づきやアイデアを得ることもできます。
例えば、ふとメモを読むことで、自分の目標や夢に対する進捗や達成度を再確認できたり、過去に考えたことが今の自分の特効薬になることもあります。
実際、私も「過去のメモ」に、アイデアの面でもメンタルの面でも何度も救われた経験があります。
「昔の自分の思考×今の自分の思考」という2つの脳を使えるようなイメージだな。
STEP⑦:メモは捨てずにできるかぎり保管する
メモは捨てずにできるかぎり保管してください。
これにより、自分の思考や感情の記録を残すことができます。
メモを保管する方法は色々あります。私は著者と同じく、メモをカテゴリ分けしてクリアファイルに入れておく方法をおすすめしています。これだと簡単に整理できて、すぐに見つけられます。
実際に1000枚書いたあとのメモの束は圧巻です。
ちなみに100均で売られているA4のファイルケースに1000枚ずつ保存しています。(これが3つめ)
1年続けて、眺めてみると一種の「確かな自信」が芽生えてくる。「問題=味方。紙が増えれば増えるほど問題に強い人間になっている」という実感が持てるのだ。
ゼロ秒思考のルールはアレンジしてもいい(私の場合)
私の場合は、以下のような「ゆるルール」を取り入れています。
- 1ページ2分以内
- 毎日必ず3ページ以上
- 箇条書きで5個書ければOK(文字数は自由)
- メモは毎月1度、1~2時間かけて整理する
ぶっちゃけ、時間制限自体きつければやめてもいいとすら思っています。なぜなら、もうすぐタイマーが鳴ってしまうという「強迫観念」が脳内につきまとって、手が止まることがあったからです。
「は!?さっきまで偉そうに赤羽メモのルールを語っていたのに!?」と思ったかもしれません。それは、あくまで筆者のこだわりを歪めたくなかったからです。
でも、私は正直とっても弱い人間です。毎日10枚(各1分)だと疲れてしまった。赤羽雄二ほどの胆力、エネルギーがなかったのです。だから私はルールを自分レベルに調整しました。
それでも、ありがたいことに冒頭でお伝えしたような効果を実感できています。このやり方は賛否両論あるかもですが、私にはベストでした。
ここで知っておいて欲しいことは、自分のタメになるかどうか。続けられるかどうかです。
毎日3ページでも年間1000枚は超えます。それを約3年間続けているので現在では3000枚近いでしょう。
ゼロ秒思考のやり方が難しくて続けられるか不安なら、もう少し自分に優しくしてあげよう。そして「自分のやり方」を模索してみてくれ。
赤羽メモを続けられない人は絶対的なインプット量が足りていない
赤羽メモを続けられない人の多くは習慣化できないことだけが直接的な原因ではないと考えます。
私が思うに、取り込む情報量が圧倒的に足りていないことが原因です。頭のなかに新しいアイデア、問い、発想がないと、メモを書くネタが枯渇してしまいます。
この場合の解決策は、積極的に本を読んでインプットを促すことです。
特におすすめなのが、AmazonのAudibleというサービス。
Audibleは有料のサブスクリプションサービスですが、登録することで10万冊以上ものオーディオブックを好きなだけダウンロードできます。
通勤時間や掃除をしている際にイヤホンを付けて聴けば、効率よく知識をインプットできます。知識が豊富になれば、メモのネタ不足を解消できるはずです。
例えば、Audibleで聴いた本の内容を復習しながらメモを作成することもおすすめです。本の知識を自分なりに咀嚼することで理解が深まり、新たな気づきも生まれます。情報入力を増やすことが赤羽メモの継続力を高めるコツなのです。
実際に私がこの方法で書いたメモをシェアします。
以下は、デールカーネギーの「人を動かす」を元に作成したメモです。
この1枚のメモから、気付きを得ることで新しいメモをつくることができます。
例えば、「人を褒めるにはどういうところを褒めればいい?」とか、「他人の関心事に興味を持つには?」とか、「批判しそうになったらどうする?」とか。
「人を動かす」というのは人間関係の黄金則を書いた本ですが、こんな風に内容を広げているうちに、自分なりの超絶具体的な解決策がわかります。そこでやっと、本で得た知識が血肉化されるわけです。
このように、本の知識をより深化させるためにも、メモとインプットは平行的に行いましょう。
もっとAudibleについて知りたい方は「12万冊聴き放題サービス「Audible(オーディブル)」の評判と3年間試した結果→人生激変」をご覧ください。登録するかどうかの良い判断材料になるかと思います。
「Audible×メモ」のコンビで、ネタに困らないどころか、本の復習にもなる。本を聞いてもメモの問いが生まれない場合は、本の知識を吸収できていないという判断材料にもなるぞ。
おわりに:ゼロ秒思考はあなたの「判断力・思考力・行動力」を爆速(ゼロ秒)にする。
いかがでしたでしょうか。
以上が「ゼロ秒思考のやり方」の全貌です。
私は現在でもオリジナルなやり方で赤羽メモを継続していますが、日々効果を実感しています。
事実、「悩み」がご褒美化しました。ほぼ迷わず即断即決できるようになりました。そして、「判断力・思考力・行動力」といった基本ステータスがメキメキ上がりました。
結果として、大きな自信を身に付けることができました。
皆さんもぜひこのメモ術を試して、最強のビジネスパーソンとして活躍してください。