- プロバイオティクスの効果を知りたい
- プロバイオティクスの正しい選び方を知りたい
- プロバイオティクスの効果を最大限発揮させる方法を知りたい
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
1人の人間の細胞数は約37兆個と言われるなかで、腸内細菌の総数はその数を上回り約38兆個。 重さにして、なんと約1〜1.5キログラムもあるとされています。
これらの細菌は「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」に大別され、毎日陣取り合戦をしています。
この陣取り合戦に善玉菌が負けるとさまざまな胃腸トラブルが起こります。この戦に確実に勝利するためにはプロバイオティクスという援軍が必須です。
プロバイオティクスとは、腸内細菌叢を改善するために摂取される微生物のことです。
プロバイオティクスは、ヨーグルト、キムチなど、さまざまな食品から摂れますが、サプリメントで凝縮された形で摂る方が陣取り合戦において遥かに有利に戦えます。
そこでこの記事では、プロバイオティクスサプリを摂る際に知っておきたいすべてのことを記しました。
例えば、プロバイオティクスの効果や選び方、効果的に摂取するタイミングや量、相性の良い成分など、とことん突き詰めた内容になっています。
この記事を読めばプロバイオティクスを自分の手足のように活用することができ、あなたが目指す腸内環境をつくりあげることが可能です。
プロバイオティクスの効果
プロバイオティクスの効果をザザッと要約していきます。
- 虫歯予防: 2006年に広島大学で行われた実験では、プロバイオティクスが虫歯を引き起こすバクテリアを減らし、歯肉炎や歯ぐきの出血を軽減する可能性が示されました[*]。
- コレステロールの改善: 2012年のアメリカ心臓協会の研究によれば、プロバイオティクスはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と総コレステロール値を下げる可能性があります。これは胆汁酸塩を分解し、再吸収を防ぐ働きによるものです[*]。
- メンタルの改善: 2011年の研究レビューによれば、プロバイオティクスは腸内環境を改善し、体内の炎症を減らすことができます。これは心の健康に良い影響を及ぼすとされています[*]。
- 肌トラブル:2010年の研究によると、プロバイオティクスに含まれる乳酸菌がニキビを大幅に改善しました[*]。また、300名のニキビ患者さんにプロバイオティクスを飲んでもらったところ、80%に効果が認められました[*]。
- 鼻づまり: 2003年の研究によれば、プロバイオティクスは鼻の中に良い細菌の集団を増やし、悪いバクテリアを減らすことで、鼻詰まりを改善する可能性があります[*]。
上記のような効果が得られるのには大きく分けて2つの理由があります。
1つは、腸内環境がいいと、悪玉菌による悪さがなくなるから。そして善玉菌がイキイキと仕事をしてくれるから。腸内環境がいいというのは、善玉菌からすると「超待遇の良いホワイト企業状態」なので、みんな頑張ってくれるのです。
2つめは、腸脳相関といって、脳と腸は相互的につながっているから。腸が良くなれば脳も体のメカニズム的に必然的に改善するという理由です。腸内ではいろんな神経伝達物質が作られているので、腸の働きがよければ脳の機能が上がっても不思議ではありません。
「腸脳相関」の一般的な意味
脳と腸がお互いに影響し合う関係のこと。ストレスを感じるとお腹が痛くなるのは、脳がストレスを感じてそれが腸に影響を与えているからです。また、腸が調子を崩すと気分が悪くなることもあります。これは腸から脳に何らかの信号が送られているためです。つまり、脳と腸は密接に関連していて、互いに影響を与え合うのです。
プロバイオティクスサプリの選び方
プロバイオティクスサプリを選ぶ際に注目すべきは以下の4点です。
- カプセルタイプ
- 菌量(CFU量)
- 菌の種類
- 菌の品質
この3つを踏まえてプロバイオティクスを選ばないと効果がでないどころか、お金を払ってムダなものを体内に入れている状態になりかねません。実際、ある菌種を摂取すると炎症が増加したなんて問題すらあります。
カプセルタイプは「ターゲット放出性、遅延放出性のカプセル」を選ぶ
ターゲット放出性、遅延放出性のカプセルであることが望ましいです。これらのカプセルはプロバイオティクスを強い胃酸から守り、直接必要とされる腸まで届けます。
ただし、死菌(ゴーストプロバイオティクスといいます)のほうが免疫活性を高めるという研究[*]もあるので、これらのカプセルタイプが絶対条件というわけではありません。
とはいえ、ターゲット放出性、遅延放出性のカプセルを使用することで「胃酸で死ぬ菌が死菌として活性するメリット」と、「胃酸をうまく抜けて腸内で活躍するメリット」という2つのメリットを得られます。
このことから、優先順位としては低めですが、完璧を追い求めるならカプセルタイプにもこだわるといいでしょう。
菌量(CFU量)は「300億CFU以上」を選ぶ
腸内環境が現状悪い方が整えるためには最低でも300億CFU以上、理想的には500億CFU以上入ったプロバイオティクスを購入されると良いです。
この菌量の摂取を1日2回、1か月ほど続けると驚くほど腸内環境が良くなってくることを実感できるでしょう。
一度腸内環境が整ってしまえば、それを維持するのはカンタンです。なので、症状が改善したら菌量が50億のものに切り替えたり、Amazonで売られているような市販の整腸剤に切り替えてコストを抑えてもOKです。
ちなみにヨーグルト100gに含まれる菌数は10億個。一方でプロバイオティクスは300億CFU。ヨーグルトで換算すると3kg分の菌数がとれるわけだ。そう考えると健康目的で食品で摂るよりも圧倒的にコスパがいいな。
菌の種類は「松」を選ぶ
結論からいうと、プロバイオティクスにおける菌すべてが良いものなわけではありません。それぞれに松竹梅があるのです。松竹梅を挙げると以下のとおりです。
- 松(最もいい)
-
- ビフィドバクテリウム・インファンティス
- ビフィドバクテリウム・ロンガム
- ラクトバチルス・プランタルム
- ビフィドカテリウム・ラクティス
- サッカロミセス・ブラウディ
これらはヒスタミンレベルを下げ、炎症を改善し、腸内環境を整えるためのエース級パイロットです。
- 竹(まあ良い)
-
- ストレプトコッカス・サーモフィルス
- ラクトバチルス・ラムノサス
これらは中性細菌として働きます。他のプロバイオティクスの援護をします。
- 梅(なるべく避ける)
-
- ラクトバチルス・カゼイ
- ラクトバチルス・ロイテリ
- ラクトバチルス・ブルガリクス
これらの菌株はヒスタミンを生成し、ほとんどのヨーグルトや発酵食品に含まれています。ただし、整腸作用もあります。
ヒスタミンとはご存じの通り、花粉症やアレルギー性鼻炎などで鼻水や鼻づまりを起こす原因物質です。ほかにも、顔面、特に口の周りや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などが起こる場合があります。
ただし、完全な悪者というわけでもなく、ヒスタミンが脳に入ると満腹中枢に作用して「食欲抑制」効果と交感神経を刺激して「脂肪燃焼[*]」の促進をしたり、「頭の回転を速く[*]」したりする可能性があることもわかっています。
このことから、梅のプロバイオティクスを摂るのが悪いとはいいません。しかし、ヒスタミンの過剰摂取に繋がるので、梅のプロバイオティクスが複数含有されているサプリは避けた方が無難です。
むしろ重要なのは菌種の多様性だ。具体的には菌種が10種類前後のものを選ぶこと。それぞれの菌がバランスよく効いてくれるし、なによりリスク分散にもなる。
菌の品質が「保証されているもの」を選ぶ
菌の品質を判断するにはまず「信頼できる製造元」からの選ぶこと。これは基本です。
つぎに大切なのは、製品に含まれる菌の種類と株、CFU数、保存方法がラベルに記載されているかどうかです。日本の整腸剤は残念ながらこれらが明記されていないものがほとんどです。
日本市場で市販で購入できるものは、プロバイオティクスとしての品質は保証されていないといえます。「270錠で2000円」のような形で売っているものでも、体感的に多少の効果は感じます。しかし、腸内環境の根本的な改善には向いていません。
さっきも少し触れたように、プロバイオティクスで腸内環境を整えたあとに、日本の安価な成長サプリで腸内環境を維持するといった方法なら大いに活用できる。
超おすすめなプロバイオティクス3選
今回選んだプロバイオティクスの条件は以下のとおり。
- 菌量が300億CFU以上
- 品質保証が明記されている
- 菌種が10種類前後含まれている
- 松または竹が1種類以上含まれている
- 梅が1種類より多く含まれない
これだけ厳正な基準で紹介しているケースは他のメディアでは類を見ません。自信をもっておすすめします。
California Gold Nutrition, LactoBif プロバイオティクス、300億CFU、ベジカプセル60粒
商品名 | California Gold Nutrition, LactoBif プロバイオティクス、300億CFU、ベジカプセル60粒 |
参考価格 | 2778円(1粒あたり47円) |
菌量 | 300億CFU |
有効菌種 | ・ラクトバチルス・プランタルム ・ビフィドバクテリウム・ロンガム ・ビフィドカテリウム・ラクティス |
品質 | アルミ箔を二重にしたブリスター包装で個別に密封。高温多湿を避けて25ºC(77ºF)以下の場所で保管した場合に、消費期限までの品質を保証[*]。 |
カプセルタイプ | 植物性 |
Physician’s Choice, 600億のプロバイオティクス、遅延放出性ベジカプセル30粒
商品名 | Physician’s Choice, 600億のプロバイオティクス、遅延放出性ベジカプセル30粒 |
参考価格 | 3846円(1粒あたり129円) |
菌量 | 600億CFU |
有効菌種 | ・ビフィドバクテリウム・ロンガム ・ラクトバチルス・プランタルム ・ビフィドカテリウム・ラクティス |
品質 | 特許取得済みの常温保存可能なCSP™容器でプロバイオティクスの生存率を向上[*] |
カプセルタイプ | 遅延放出性 |
NATURELO, プロバイオティクス、500億CFU、遅延放出性カプセル30粒
商品名 | NATURELO, プロバイオティクス、500億CFU、遅延放出性カプセル30粒 |
参考価格 | 3443円(1粒あたり115円) |
菌量 | 500億CFU |
有効菌種 | ・ビフィドバクテリウム・ロンガム ・ラクトバチルス・プランタルム ・ビフィドカテリウム・ラクティス |
品質 | 冷蔵不要: フリーズドライ微生物は非常に安定しており、生きたプロバイオティクスを保存して有効性を持続させます。[*] |
カプセルタイプ | 遅延放出性 |
プロバイオティクスはいつ飲むべきか?
プロバイオティクスはいつ飲むべきか。
私は「朝の食前と夜寝る前にプロバイオティクスを摂取する」ことをおすすめします。
しかし、プロバイオティクスの最適な摂取タイミングについては、専門家の間でも意見が分かれています。おそらくネット上でも「食後のほうがいい」、「食前のほうがいい」という情報がごちゃまぜになっているでしょう。
その理由はおそらく以下のような点が混在しているためだと思われます。
- 有胞子性のプロバイオティクスは胃酸に耐えうる可能性が高いため、食事と一緒に摂取してもOK。
- 一方で、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは基本的に胃の酸性環境に弱い傾向があるのでNG。
- ただし、プロバイオティクスが胃酸で死滅したとしても有益な効果を得られる可能性はあるので完全にNGではない。
それゆえに、ここからは私の意見とはなりますが、「朝の食前と夜寝る前にプロバイオティクスを摂取する理由」について述べさせていただきます。
- 朝の食前に摂取すると、胃酸の影響を最小限に抑えることができます。これにより、胃酸に弱いプロバイオティクスが腸まで届く可能性が高まります。
- 夜寝る前に摂取すると、腸の活動が低下する時間帯にプロバイオティクスが腸内で長く滞在し、増殖や腸内への定着の可能性が高まります。これはプロバイオティクスが腸に長く留まることで、より活動的になり、健康な腸内環境を促進するためです。
- プロバイオティクスは胃酸で死滅したとしても有益な効果を得られる可能性があります。このため、一部が胃酸で死滅し、一部が腸まで届くという摂取方法は、全体の腸内環境改善に寄与すると考えられます。
これらの理由から、プロバイオティクスのメリットが最大限受けられるのは「朝の食前と夜寝る前」であると私は考えます。
もちろん、朝の食前だけとか夜寝る前だけとか、片方だけでもいい。重要なのはそのどちらかを選んだ方が効果が上がる可能性があるという点だ。
プロバイオティクスとプレバイオティクスはセットで摂ろう!
プロバイオティクスと一緒に摂取したほうがよい栄養素の圧倒的NO1は「プレバイオティクス(食物繊維)」です。プレバイオティクスは腸内細菌のエサになり、善玉菌の増殖を助けます。
つまり、プロバイオティクスの菌を効率よく増やしてくれるのです。例えば300億CFUがプレバイオティクスのおかげで400億CFUになるようなイメージ。
このことから、プレバイオティクスを摂る日は必ずプロバイオティクスを寝る前か就寝前に摂取するというルールを決めておいてもいいかもしれません。
いやいや、いつ食物繊維がとれるかなんてわからん!と思った方もいるでしょう。たしかに高品質な食物繊維を食事だけで摂るのは難しいです。しかも太ります。それはイヤですよね。
そんなときには、プレバイオティクスをサプリで摂ることが最善の選択肢になります。朝にプレバイオティクスとプロバイオティクスサプリを一緒に飲むなど、習慣化しやすいのも魅力です。
なお、プレバイオティクスは好みで選んでください。
私のおすすめは、「NOW Foods(ナウフーズ)」のサイリウムハスクパウダー(オオバコ)です。なんといってもオオバコは「水溶性と不溶性食物繊維のバランスがいい」のと、「オオバコ自体にエビデンスが多い」のが決め手です。
実際の研究例は以下のとおり。
- 2016年、103名の子どもにオオバコを2週間継続して飲んでもらったところ、過敏性腸症候群(IBS)の症状(お腹が痛くなる回数)が減少しました[*]。
- 1987年、便秘症の成人42人は、オオバコを1週間摂取することで、排便の頻度と便の重さが改善した。そのことから、オオバコは便秘改善に役立つと考えられています[*]。
- 2009年、7件の臨床テストを行ったところ、そのうち6件でオオバコに体内の炎症を減らす効果が確認された[*]。
- 2015年、35件のデータをメタ分析したところ、オオバコに2型糖尿病の空腹時血糖値や糖化ヘモグロビン(長期間の血糖管理を示す指標)が優位に低下することが示された。また、これは食後の血糖値の急上昇を防ぐさいにも有効である[*]。
- 1998年、8人の被験者はオオバコを摂取することで、下痢改善効果(下痢の頻度を減らす)を持つことが認められた。これは、オオバコが便の腸内通過時間を延長することで、便の粘性を上げて硬さを改善したことが起因していると考えられる[*]。
オオバコを試す場合は1日18gを2回ぐらいにわけて飲めばOK。その場合は、腸内での吸収効率を上げるために必ず200〜500mlの水と一緒に飲んでください。
ただしオオバコサプリは飲み口がザラザラしていて飲みにくさも正直ある。これがイヤなら「プレバイオティクスファイバー」でもいいだろう。これは完全に水と同化していて死ぬほど飲みやすい。
おわりに:プロバイオティクスで腸内環境をバラ色に!
腸内環境を整えるプロバイオティクスは、私たちの健康維持に欠かせないものです。プロバイオティクスを選ぶ際には、本日紹介した4つの基準を参考に選んでみてください。きっと今までとは比べ物にならない効果を実感できるはずです。
自分で探すのが面倒な場合は私がおすすめした3つから選ぶといいでしょう。あなたにピッタリなプロバイオティクスが見つかり、輝く腸内環境を手に入れられることを願っています。