- 部屋の空気を田舎の自然のようにキレイにしたい人
- どうせ植物を育てるなら科学的根拠のあるものを育てたい人
学生時代に習ったレベルで、植物は光合成の働きによって「二酸化炭素→酸素」に変えるということは皆さん知っているとおりです。
では、特定の植物たちは有害物質まで除去してくれるということはご存知でしょうか。
NASAが1989年に行った実験[*]では、「空気中の有毒物質を除去するパワー」がある植物を「エコ・プラント」と名付け50種をリストアップしました。これつまり、天然の空気清浄機です。
そこで今回は、「特に空気清浄能力が高い」を、有益な観葉植物50種のなかからランキング形式で10個紹介していきます。
この記事を読めば、きっとすぐにでも部屋を緑で埋め尽くしたくなるはず。あなたのお家が完全に浄化されて今よりも圧倒的に住みやすい環境になりますように。

「観葉植物を置くと癒される」というのは迷信ではない。新鮮な酸素と空気清浄能力でキレイな空気をつくりだすという「科学的な根拠」があるのだ。
NASA推奨の観葉植物はどのような有害物質を除去するのか?


本日紹介する観葉植物のおもな効果は、屋内の空気中に存在している5種類の有害物質を除去し、シックハウス症候群を抑制します。もちろん、二酸化炭素を酸素にするという効果もありますよ。
では、具体的にどんな有害物質を除去するのか。これを見てみましょう。
- トリクロロエチレン:塩素系溶剤の代表で金属や繊維の洗浄に使用されている。
- ホルムアルデヒド:防腐剤や接着剤などに含まれている。シックハウス症候群の一因としても有名。
- ベンゼン:薬、染料、香料、爆薬、プラスチック樹脂、タバコの煙、自動車の排気ガスなどに見られる。
- キシレン:接着剤や塗料の溶剤に使用されている。タバコの煙や排気ガスに含まれている化学物質。
- アンモニア:フロアワックスやウインドウクリーナーなどの家庭用品に頻繁に利用される成分。
上記の化学物質は、空気中に飛散している代表的なもの。目には見えません。が、あなたの家にもフワフワ漂っているかもしれません。とくに以下のような症状が現れた場合は注意が必要です。
- トリクロロエチレン:めまい、頭痛、吐き気、嘔吐
- ホルムアルデヒド:鼻や口、喉の粘膜への刺激
- ベンゼン:目に刺激を与える。眠気、めまいや動悸、頭痛、意識の混乱
- キシレン:頭痛、倦怠感、怒りっぽくなる、吐き気、食欲不振、腹部膨満感
- アンモニア:何となく元気がない、吐き気、嘔吐、意識障害、痙攣
今回紹介する植物はそれぞれ除去する得意分野が違いますので、その点をまずは着目してみてください。ただし、5つの有害物質のうち1つしか除去しないというものでも、その1つは物凄く除去してくれる特化型の場合もあります。ご自身のニーズに合わせて選んでみましょう。



それぞれの「育てやすさ」も5段階で評価してみたぞ!評価基準は、「耐寒性」「耐暑性」「耐陰性」「手間のかからなさ」「虫のつきにくさ」の5つだ。
【空気中の有害物質除去】NASAが推奨する観葉植物ランキング10


NASAが推奨する50種のなかでランキングにインした観葉植物たちは以下。
- サンスベリア
- スパティフィラム
- ポトス
- オリヅルラン
- ベンジャミン
- アンスリウム
- タマシダ
- キク
- ドラセナ
- アレカヤシ
1位:サンスベリア(学名:Sansevieria trifasciata)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
堂々の第1位はサンセベリア。サンスベリア、それはまさに観葉植物界の「空気の警察官」!この植物はとくに空気清浄効果がスゴイです。シックハウス症候群の元凶ともいえるホルムアルデヒドをばっちり吸収・分解してくれます。さらにマイナスイオンまで放出。まるで自宅に清々しい森林浴をもたらしてくれるような存在ですね。
そして、その管理もカンタン。暑さに強く、ちょっとした日陰でも元気に育つので、家のどこに置いてもOK!一般的な植物とは逆に、夜酸素を作り出して二酸化炭素を吸収するという個性的なところも大好きです。別名「ベッドルームプラント(Bedroom Plant)」と言われいるだけあって寝室に置くのもおすすめ。



私もサンセベリアを部屋に置いている。とにかく繁殖力がスゴイ。育ったサンセベリアを他の鉢植えに入れたら同じくらいムクムク育つぞ。つまりコスパも抜群。さすが花言葉「永久」「不滅」なだけある…。
2位:スパティフィラム(学名:Spathiphyllum)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
スパティフィラムはその美しい白い花と濃緑の葉で知られる観葉植物です。花言葉は「純粋な愛」、「誠実な愛」、「潔白」、「再生」など、見た目に恥じない美しい言葉が多くてうっとりします。しかも空気清浄能力の効果範囲が非常に広いのも魅力的です。
育て方については、スパティフィラムは直射日光を避けることと、乾燥を避けることがポイントです。半日陰の場所に置き、土の表面が乾いたら水をやる程度にします。また、湿度を保つために霧吹きなどで葉に水を与えると良いでしょう。



めっちゃかっこよく言うと空気中の有害物質の「美しき殺し屋」だな。
3位:ポトス(学名:epipremnum aureum)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
ポトスの魅力はその育てやすさ。間接光を好み、水は土が乾いたとき(大体週に1回程度)だけ与えればよい点では初心者向きです。英語ではデヴィルズアイビー(悪魔のツタ)と呼ばれています。どんな環境でも枯れず、真っ暗な場所でも緑の葉を保つことから、その名がついたそうです。悪魔好きのあなたにピッタリです。
サイズもコンパクトで、広いリビングよりも、寝室やトイレなどの小さめの空間にぴったり。その気になれば吊るして飾ることも可能で、観葉植物を置くスペースがないという方でも十分に楽しめます。ちなみにポトスは特にホルムアルデヒドの除去能力が高いとされています。



ポトス、これぞ観葉植物界の”魔術師”だ。ソロモン諸島からやって来た、このすご腕マジシャンは、葉っぱがスルスルと大きくなるトリックを得意としている。存在感がスゴイ。
4位:オリヅルラン(学名:Chlorophytum comosum)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
オリヅルランはその名の通り、葉が折り鶴のような形状をしており、それが茎から下へと伸び下がる様子が非常にユニークで魅力的な観葉植物です。この特徴から吊り下げ型のポットで育てることが多く、インテリアとしても素晴らしいアクセントになります。
さらに、オリヅルランは空気清浄効果が非常に高いとも評価されています。特にホルムアルデヒドの吸収と分解に非常に効果的で、インテリアの材料や塗装、建材などから発生するホルムアルデヒドを吸収し、無害な物質に分解します。このため、部屋の空気を清潔に保つためにもオリヅルランは非常に適した植物と言えるでしょう。
5位:ベンジャミン(学名:Ficus benjamina)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
ベンジャミン、多くの緑の葉を茂らせ、観葉植物として非常に人気があります。強力な空気清浄効果も持つなんて嬉しいですよね。特にホルムアルデヒドの吸収力に優れています。
身長は背高く、葉はユニークに丸まるその姿からは想像もつかない、強力なパワーを秘めているんですね。そして、ベンジャミンの面白いところは自由な発想を形にできる、”自己表現の職人”でもあるところ。苗から育てることで、幹を三つ編みにしたり、螺旋状にしたりと、あなたの思い描く形に仕立てることができます。



ベンジャミンはインテリアとしても優秀。
6位:アンスリウム(学名:Anthurium andreanum)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
アンスリウムは赤くハート型の葉(仏炎苞)がとってもキュート。気温 15 度以上の明るめの室内で管理すれば一年中鮮やかな仏炎苞を楽しむことができます。
アンスリウムの空気清浄効果は、ホルムアルデヒドやキシレンだけでなく、アンモニアも吸収・分解してくれます。このことからリビングだけでなくトイレに置くのもおすすめです。



優しくて光沢のあるハート形。女性へのプレゼントにも最適だな。
7位:タマシダ(学名:Nephrolepis cordifolia)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
タマシダ、それはまさに観葉植物界の鉄壁ディフェンダー!タマシダが持つホルムアルデヒドの除去能力と室内に水分を補給する蒸散作用も実験対象のエコ・プラントの中で No.1 の結果を示しました。
ただし、縦横関係なく成長するため、広めの家でなければ置く場所に困りがち。台の上や空間に飾ると、特徴的ななだれる葉が映えるかもしれません。
注意点としては、高温と乾燥が苦手なので、こまめに水やりと霧吹きをしてあげてください。



家をジャングルにしたいときの必需品。
8位:キク(学名:Chrysanthemum morifolium)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
モテる華の条件も3Kです。それはキクの花言葉の「高貴」「高尚」「高潔」。さすが日本の心を映し出す美しい花です!!その高い高潔さゆえに、スパティフィラムと並んで、ホルムアルデヒド、アンモニア、ベンゼン、トルエン、キシレンの5つの有害物質を全て除去する能力が確認されています。
菊は多様な色や形の花を咲かせますが、一般には秋に花を咲かせるものが多いです。しかし、品種改良により夏菊や夏秋菊、寒菊など季節を問わず咲く種類も育てられています。さらに、年間を通して咲く品種として「ポットマム」や「ピンポンマム」もあります。
ポットマムやピンポンマムなどの品種は、一年中楽しむことができるため、オフィスやリビングなどに置いて楽しむことができます。花を咲かせることで室内を明るく彩るだけでなく、空気清浄効果によって健康にも寄与します。菊の育て方については、品種により異なるため、適宜調査して適切なケアを行うことが重要です。



環境植物とは違うが研究対象だったうえに超優秀だったから掲載した。ただし育てるにはコツがいるため下位に設定。
9位:ドラセナ(学名:Dracaena)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
「ドラセナ」は幸福の木とも呼ばれています。その名のとおり縁起が良いので好んでインテリアとして置く人も多い熱帯産の観葉植物です。しかも、インテリアとしての存在感も圧巻で、リビングや寝室、オフィスなど、さまざまな空間で楽しむことができす。
また、アンモニアを除く4つの化学物質を除去し、特に「ホルムアルデヒド」の浄化が得意です。
しかもありがたいことに、害虫は、風通しさえ良ければあまりつきません。もし葉が密集してしまったら、根に近い下の葉を手で摘み取ればOKです。
しかし、水遣りについては注意が必要です。ドラセナは乾燥に強い植物で、むしろ過湿を嫌います。したがって、土が乾いてから水やりを行うようにし、土の表面が湿っている状態で水をあげるのは避けましょう。



長く育てると 5 年に 1 度程度花を咲かせることもあるそうで、その芳香は学名 (フラグランス) になるほど豊かな香りなのだとか。開花にチャレンジするのも面白そうだな。
10位:アレカヤシ(学名:chrysalidocarpus lutescens)


有害物質 | 除去の可否 |
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ベンゼン | |
ホルムアルデヒド | |
トリクロロエチレン | |
キシレン/トルエン | |
アンモニア |
その華やかで上品な見た目から人気のあるアレカヤシも、空気清浄効果に優れたヤシ科の観葉植物です。羽状に広がるその美しい葉から多くの水分を蒸散し、同時に有害物質を除去する能力があります。
NASAの研究により、1.8mのアレカヤシが1日に約1リットルの水分を蒸散することが確認されました。これは、アレカヤシが空気中の湿度を高めるとともに、ホルムアルデヒドやベンゼンなどの有害物質を吸収する能力を示しています。
育て方としては、アレカヤシは明るい日陰を好むため、直射日光を避ける場所に置きます。水やりは土が乾いたらたっぷりと与え、鉢底から水が出るまでよく浸します。ただし、根腐れを防ぐために水はけの良い土を使用し、鉢には排水穴を設けてください。



明るい葉色と優雅な草姿が見ている人に活力を与えることから、「元気」「勝利」という花言葉が付けられた。ビジネスマンはポチっとけ!
部屋を浄化するためには必要な植物の量は?


答えはシンプルで「ゼロよりは1のほうがいい。でも多ければ多いほどなお良い」です。
植物からのメリットを得るには5畳あたり少なくとも2つの植物が必要です。5畳の大きさを正方形で直すとだいたい2.85m×2.85mほど。15畳の部屋なら6つが理想というわけですね。
「いやいや!そんなにたくさん置けないよ!」という方は「なるべく葉の大きい植物」をおすすめします。葉の大きさと空気の浄化能力は比例するからです。
植物はどこに置けばいいの?


結論、どこでもいいです。置きたい場所に置くのが正解です。しかし基準は欲しいもの。ということで、ここでは植物をどこに置けばその効果を最大限発揮できるのか。それぞれの部屋に対して、植物がどのような役割を担うのか見てましょう。
- リビング: リビングは家族が集まる、生活の中心となる場所です。インテリアの一部として大きな観葉植物を選ぶことで、空間の雰囲気を一層引き立てることができます。また、リビングで多くの時間を過ごすことから、空気清浄効果の高い植物を選ぶと良いかもしれません。
- 寝室: 寝室は私たちが一日の疲れを癒し、リラックスするための場所です。アロマ効果のある植物や、夜間に酸素を供給してくれる植物(例えばサンスベリア)を選ぶと良いでしょう。これらの植物は睡眠の質を向上させ、リラックスを深めてくれます。
- トイレ: トイレは一般的には小さな空間で、同じ空気がこもりがち。ですので、自然な香りを放つ植物を置くと良いでしょう。本日紹介した植物を置くことで、トイレの空気を清潔に保ち、同時に心地よい香りを演出しましょう。



まあリビングや個室は優先順位が高い。あとはお好みだ。玄関に置くのも見栄えが良いだろうな。
【他にもまだまだ!】空気清浄以外の観葉植物のすごい能力


NASAの研究では空気清浄という目的でしたが、観葉植物にはまだまだ秘めたる力を備えています。
- カビの胞子及び浮遊微生物を抑制する: 植物が放出する「フィトケミカル」という化学物質が空気中のカビの胞子や浮遊微生物を吸収し、これらを分解・無害化する能力を持っています。これは植物が自身の成長と生存のために必要な栄養素を得る一環として行われます。
- 蒸散による加湿する: 植物は光合成の一環として水を蒸散します。これにより、室内の湿度が自然に増加します。これは特に乾燥が気になる冬季において有益で、湿度を50~60%に保ち、皮膚の乾燥を防ぐ助けになります。
- 眼精疲労を軽減する: 植物の緑色は目に優しく、視覚的なリラクゼーションを提供します。緑色は自然界における最も一般的な色で、それを見ることで自然と繋がっていると感じ、心地よさや安心感を得ることができます。
- インテリアになる: 植物はその自然の美しさと多様性で、独特の魅力と雰囲気を室内に加えます。インテリアとしての役割を果たすだけでなく、空間を生き生きとさせ、より魅力的で心地よい場所に変えます。
- 酸素を供給する: 植物は光合成により酸素を生成します。この酸素は呼吸に必要で、私たちが生きるために絶対必要なものです。特に、夜間に酸素を放出する植物(例えば、サンスベリア)は、寝室に置くと良い選択となります。
正直言ってこれは植物の効果の一部でしかありません。もっと大量の植物があれば病気を治すことも可能です。これについては「」をご覧ください。
おわりに:NASAが推す観葉植物をあなたの部屋にも!


いかがでしたしょうか。NASAが認定した「エコ・プラント」は、ただ単に部屋を美しく飾るだけでなく、目に見えない有害物質を吸収し、自然と安全な環境を作り出してくれます。これは1日2日ではさほど意味がないかもしれません。
しかし、10年20年と置き続けることで、過去のあなたには得られなかった健康を与えてくれる可能性があるのです。空気は私たちの生命を支える源。私たちのひとつひとつの呼吸が浄化された空気だったら、きっと長生きにもつながるでしょう。
というわけで今すぐ、あなたもNASA激推しの観葉植物の力を借りてみませんか?その一歩が、あなたの生活をより豊かで満たされたものに変える鍵となるかもしれません。
参考