- 「朝型=正義」ではない。
- 実は夜型タイプも朝型タイプも生産性に違いはない。
- 自分に合わないタイプで仕事をすると生産性は下がる。
- このことから自分に最適なクロノタイプを知る必要がある。
- それぞれのタイプの特徴と診断方法をこの記事で説明する。
朝型人間は優秀で、夜遅くまで起きているのは欠点であるという考え方が広まっています。実際、朝型を推奨する本は腐るほどありますが、夜型を推奨する本はほとんどありません。
しかし、実は夜型人間も朝型人間と同じように生産的に過ごすことができます。というより、単に1日のスケジュール感が違うだけなのです。むしろ、夜型タイプが無理やり朝にタスクをこなすほうがよっぽど生産性は落ちます。
睡眠研究の権威であるマイケル・ブレウス博士によると、1日の中で最もエネルギッシュな時間帯は、人それぞれが持つクロノタイプによって決まるそうです。
クロノタイプとは、”独自の体内時計のリズム”を示しており、「クマ、ライオン、オオカミ、イルカ」の4 つの活動タイプに分類されます。(後述)この分類は、重要な決断やワークアウトなど、何かをするのに最適な時間帯を把握するのにきっとあなたの役に立つはずです。
もし今のパフォーマンスに満足できない人や、やる気のなさを感じたことがある人は、ぜひこの記事を読んで、自分の睡眠クロノタイプを知り、ベストなタイムスケジュールを探っていきましょう。
クロノタイプ診断とは、自分の体内時計のリズムを知るためのツール
体内時計は、24時間のうち、いつ起きて、いつ眠くなるかを決定しています。これは、脳が特定のホルモンを分泌するタイミングを知らせるために使用する体内時計です[※]。
この体内時計に従って生きることによって、私たちはもっと生産的でイキイキした毎日を過ごしていくことができます。ブレウス博士は、不眠症の患者を診ているうちに、人それぞれの体内時計が微妙に異なることを発見しました。
朝晩の好みに基づいて、4つの異なるクロノタイプ(体内時計の性格)を特定し、それぞれのクロノタイプに最もよく似た睡眠・覚醒習慣を持つ動物を関連付けたのです。(以下、図参照)
実際に、自分のクロノタイプを軸に毎日の習慣を変えていくことで、生産性が爆上がりして、睡眠の問題もことごとく解決したそうです。
さっそくクロノタイプ診断をはじめてみよう!
クロノタイプをすぐに診断できる便利なサイトをみつけましたので共有します。
\ あなたはどのタイプ!? /
ちなみに私は人工の15~20%に該当する「オオカミタイプ」でして、以下のようなアドバイスを頂きました。
オオカミ型は、夕方から夜にかけて最もパフォーマンスが上がる夜型タイプです。朝に弱く、目覚ましが鳴ってもなかなか起きられません。起きても午前中はエンジンがかからないため、重要な会議やクリエイティブな仕事は避けた方が無難です。日が沈むころには俄然元気になり、高い集中力を発揮できます。夕食後でも生産性の高い仕事をこなせるので、朝よりも夜に集中する仕事に向いています。何か作業をしていると、つい没頭して夜更かししてしまう傾向にあります。現代の一般的な学校・会社制度のタイムスケジュールには、あまり適していません。睡眠時間は7時間半程度が推奨されます。
この診断サイトでは、それぞれのタイプの性格と特徴、ベストな活動時間帯、実際のスケジュール例がわかるぞ!
とはいえ、活動時間帯やスケジュール例は仕事やライフスタイルによって不可能な場合もありますので、あくまで参考程度にしましょう。私もオオカミタイプですが、あんなに早く起きれません。
それぞれのクロノタイプの活かし方
クロノタイプ診断はいかがだったでしょうか。
ここからは「クロノタイプ診断テスト」で出た結果をもとに、要約をしつつ、「クロノタイプを実際の生活にどう活かすか」という観点を主軸において解説していきたいと思います。
クロノタイプをうまく利用して人生の充実度を上げていきましょう!
クロノタイプ:クマ
ほとんどの人は、クマ型に分類されます。(全人口の55%)
統計的には2人に1人がこのタイプになりますので、かなり多くの人がこのタイプだと診断されたかと思います。
入眠、覚醒パターンは太陽のリズムと同じで、睡眠困難を引き起こしにくいです。
クマは、爆発的なエネルギーを発揮するタイプではありません。自身のエネルギーをむらなく保つこと、仕事を完了させることが得意なのです。置かれた環境で着実に働き、ものごとがスムーズに運ぶように貢献できます。
特に、10~14時頃に最も集中力があり、午後のタイムリミットを過ぎたころにエネルギーの低下を感じやすいので、昼食時間を少し遅めに設定し、午前~午後のあいだに最重要タスクを片付けるようにすればいいでしょう。
長丁場の集中を要する仕事の日は、午後以降のエネルギー減退をサプリやカフェインで補うといいかもしれません。
クマは好奇心とチャレンジ精神が旺盛のため、企画・マーケティング・経営・管理職といった職業に向いている傾向があります。
クロノタイプ:ライオン
ライオンは全人口の15~20%に属し、クマよりも早起きです。(超朝型)
日が昇る前にベッドから飛び起きる頑張り屋さん。
朝から行動的なため、夕方には疲れ果て、早寝早起きになる傾向があります。
そのため、最重要タスクは朝からノンストップ全力でこなすといいでしょう。
また、ライオンはポジティブな行動派リーダーに多い傾向がありますので、営業部長、建築主任、土木監督などエネルギッシュに部下を引っ張っていく職種に向いています。
クロノタイプ:オオカミ
オオカミは夜行性です。全人口の15~20%がこれに該当します。興味深いことに、オオカミには2つのピークがあります。正午から午後2時までと、社会人の多くが退社する17:00頃からです。
オオカミの脳の創造的な領域は、太陽が沈むとONになります。そのことから、1日の始まりも遅くなりがちで、他の人たちが眠りにつくあいだ、生産性の波に乗っている人も多いです。
また比較的に内向的で一人の時間を大切にする傾向があります。(自分を場の盛り上げ役だと感じることは少ない。周囲で起きていることをじっくり観察したいタイプ)
オオカミは作家、アーティスト、プログラマーなど、クリエイティブな仕事に向いています。しかし、気分屋さんなところがあるので、仕事のムラがでやすいことには注意が必要です。感情のコントロールやメンタルを鍛えることで弱点が減り、人生の満足度は大きく向上するでしょう。
クロノタイプ:イルカ
イルカは人工の15~20%に該当し、15~21時に最高のパフォーマンスを発揮することが可能です。
イルカは非常に頭がよく、完璧主義的なところがあるので、1日のことをじっくり考えることが可能です。しかし、その性格のせいで、1日の失敗を反芻して、なかなか寝付けないこともあります。
しかし、その完璧主義な性格は、研究職や専門職、医療関係など完璧が求められる職種で大きな成果をあげることも多いです。また、イルカは眠りが浅いことから深い睡眠に関心がない場合が多く、それもまた研究職や専門職に長いリソースを割ける要因になっていると考えられます。
スケジュールとクロノタイプが一致しない場合の生き方
クロノタイプに従って生きるだけで人生は随分とラクになります。
しかし、残念ながらオオカミタイプとイルカタイプは夜型タイプなので、基本的なタイムスケジュール(朝活動して夜寝る)で動くことが難しい人がほとんどです。
例えば、学生さんで夜型タイプはなかなかサイアクです。
朝型に対応できるのはライオン型とクマ型の人だけです。この人たちは全体人口の75%。
つまり、残り2割超のオオカミタイプとイルカタイプは、能力を発揮しづらい不利な時間帯に勉強することになるので、他のタイプよりも若いころに苦労します。
実際、フローニンゲン大学で、523名の学生を対象に様々なテストの結果を4万件以上集め、各人のクロノタイプと比較検証したところ、以下のような結果が出ました。(※)
- 夜型の生徒の方が成績が悪かった
- クロノタイプが1時間遅くなるごとに成績が少しずつ低下していた
- 夜型の成績低下は睡眠量とは関係なかった
つまり、日中に行われるテストについては、夜型(オオカミ、イルカ)のクロノタイプの人はパフォーマンスを発揮できなかったのです。
たしかにオオカミタイプの私は毎日学校へ行くために「起きる」という行為だけで重労働だったレベルだったし、地頭はいいのにテストの点数にはあまり反映されなかった苦い経験がある!!(言い訳)
しかし、ありがたいことに、近年では労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働 時間を自ら決める「フレックスタイム制」を導入している企業が普及しています。フリーランスという働き方も浸透したおかげで、ずいぶんと柔軟な世の中になりました。
もしあなたが夜型なら、この機会を活かさない手はありません。
自分の実力を最大限発揮するために、今こそフレックスタイム制がある企業への転職、又はフリーランスとして起業することを視野に入れて最高の環境を手に入れましょう!!
クロノタイプを活かして人生最大のパフォーマンスを発揮しよう!!
本日の内容を要約すると以下のとおり。
- ブレウス博士の睡眠クロノタイプクイズで自分のクロノタイプを知る
- クロノタイプを元に1日の理想スケジュールを組み直す
- 理想スケジュールにしたとき、生産性、エネルギー、疲れがどのように反応するかを観察する
- 生産性がMAXになるまで、微調整を繰り返す(これには1~4週間かかる場合があります)
人生最大のパフォーマンスを発揮するためにクロノタイプを活かしてみましょう!