
どうやらブルーライトが睡眠の質を下げるらしい。良質な睡眠をとりたいからブルーライトをカットする有効な手段を教えて!
スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライト、あなたも夜にこの光にさらされた後、目が冴えてしまい眠れない体験をしたことはないでしょうか。
寝る前にスマホゲームに夢中になったりInstagramをスクロールしたせいで、目がギラギラして数時間しか眠れなかったなんて経験があなたにもあるはずです。
実は、このブルーライトが睡眠に与える影響は科学的にも証明されています。そしてそれだけでなく、ブルーライトにあたりすぎると、心臓病、がん、肥満、糖尿病などの深刻な病気のリスクも高めます。
この記事では、ブルーライトが人体、特に睡眠に与える影響と、その対策について詳しく解説します。
私自身も寝つきが悪い日々に悩まされていましたが、研究に基づいた数々の方法で睡眠の質を大きく向上させることができました。
あなたもこの記事を読むことで、睡眠の質を高め、日中のパフォーマンスを向上させるヒントを得られるでしょう。
より良い睡眠はここから始まります。
ブルーライトとは青い光のことである【太陽からも強いブルーライトが発せられている】


ブルーライトとは、文字どおり「青い光」のことです。
ブルーライトは太陽からもたくさん発生しています。
ほかの代表的なブルーライトは、エネルギー効率の高い電球や、テレビ、コンピューター、タブレット、スマートフォンの画面を照らすために使用される発光ダイオード (LED) などが挙げられます。
私たちにとって、ブルーライトは健康において欠かせないものです。しかし、夜のブルーライトはあなたを病気にするかもしれません。
まずはブルーライトの健康上の利点と健康リスクについて掘り下げていきます。
日中のブルーライトにおける健康上の利点はたくさんある!
太陽をはじめとしたブルーライトは世間で言われているほど悪者ではありません。
むしろ朝や昼のブルーライトは、健康面でとても良い影響を与えます。
ブルーライトが健康に作用する最大の利点としては、体内のメラトニンの抑制を促進し、体内時計に合わせたリズムを整えることです。この作用により、日中の脳を覚醒させ、集中力や適応力、運動能力の向上にも役立ちます。
朝起きて、元気に活動できるのはまさにブルーライトによる効果のおかげということです。日中のブルーライトは間違いなくあなたを味方してくれます。
しかし、夜の過剰なブルーライトは逆です。
睡眠障害や眼疲れなどの問題を引き起こす可能性があることは皆さんも体感的にご存知でしょう。
そうです。夜のブルーライトは一転してあなたの睡眠と健康を脅かす敵となります。
夜のブルーライトがもたらす健康リスク


夜間におけるブルーライトへの露出があなたの睡眠の質を著しく下げ、不眠を引き起こすことがわかっています。(※)(※) なぜなら、ブルーライトはメラトニンを抑制することで、体内時計(サーカディアンリズム)を乱すからです。
メラトニンは脳に「もうそろそろ寝るよ~!」と、睡眠時間を知らせてくれるホルモン。私たちの体内時計を正常に機能させるので朝に目がシャキっとなり、夜に眠くしてくれます。
メラトニンの本来の機能をブルーライトが邪魔するのです。
現代に生きる私たちはスマホを使用しているとき、コンピューターで作業しているとき、テレビを見ているときなど、一日中、そして夜のほとんどの時間、ジャンクライトにさらされています。
2014 年の研究では、就寝前に発光デバイスから本を読む人は、印刷された本を読む人よりも眠りにつくまでに時間がかかり、眠りが浅く、注意力が高いことがわかりました(※)。
あの青白い光(ブルーライト)は、あなたの体を「昼間」だと思い込ませるヤバイ光だったのです(※)。
過剰なブルーライトは病気にも発展する可能性がある


夜にブルーライトにあたりすぎると、不眠などの睡眠障害にとどまらず、深刻な健康問題につながることがわかっています。
まず、細胞内の発電機であるミトコンドリアは、ブルーライトを処理するためにより多くのエネルギーを生成することが必要です。そこで目のミトコンドリアが過負荷になると、残りのミトコンドリアもストレスを受けてオーバーヒートする可能性があります。
これは全身に炎症を引き起こし、深刻な慢性疾患のリスクを高めます。これらには以下が含まれます。
- がん: ブルーライトへの曝露と乳がんおよび前立腺がんのリスク増加との間に直接的な関連があることがわかりました。夜間に街灯などの屋外で高レベルのブルーライトにさらされた人々は、さらされていない人々と比較して、乳がんと前立腺がんを発症するリスクが高かったこと[*] 、他の研究では、概日時計が乱れるとがんのリスクが高まったことがわかっています [*]。
- 糖尿病と体重増加: 2016 年の研究では、夜に食事をしながらブルーライトにさらされた成人は、薄暗い場所で食事をした成人と比較して、グルコース濃度が高く、代謝が遅く、インスリン抵抗性が高いことがわかりました。[*]
- 心臓病: ブルーライトが多すぎると睡眠が妨げられ、睡眠が少なすぎると心臓病を発症する可能性が高くなります.[*] 青色光は肥満や代謝障害にも関連しており、どちらも心血管疾患の重大な危険因子です。
- 視力喪失: 青色光は、黄斑変性症[*] を引き起こす可能性があります。これは、しばしば視力喪失につながる網膜への損傷です。[*] 私の父を含む 60 歳以上の 1,100 万人以上の人々が何らかの形の黄斑変性症を患っているため、これは身近な問題です。[*]
colum:人間のシステムは進化していないのにブルーライトの暴露は激増した


ここで一つ考えてみましょう。
なぜ日中のブルーライトは体に良くて、夜のブルーライトは体に悪いのか?
これは、狩りの時代までさかのぼります。
そもそも人間の体内システムは狩りをしている時代からあまり進化していません。
それにもかかわらず、昔と今のブルーライトの暴露量には比較にならないほど違いがあります。
昔は、ブルーライトは太陽光や天空からの暴露だけだったのに対して、今ではさまざまなデジタルデバイスからの暴露が含まれるのです。とくに夜間におけるブルーライトの過剰な暴露は、昔から変わらない体内時計というシステムを見事に狂わせます。
それゆえ、昔の人には無縁だったブルーライトに関連する健康被害が現代人においてはあとを絶ちません。
ブルーライトをばっちりカットする5つの方法


ブルーライトの過度の露出から身を守る方法は次のとおりです。
- 目を保護するサプリを飲む
- ブルーライトをカットするメガネをかける
- 寝る2時間前にすべての電子機器の利用をやめる
- スマホやタブレットのライトの設定を暖かくする
- スクリーンデバイスにブルーライトカットフィルターを貼る
1.目を保護するサプリを飲む
目には黄斑カロテノイド (抗酸化物質として機能する色素) が必要です。これは不要な光から目を保護します。
カロテノイドのルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンなどが連携して網膜を保護し、ブルーライトによる酸化ストレスを軽減するのです。
そのため、これらをサプリとして摂るのもブルーライト対策として有効な手段です。
2.ブルーライトをカットするメガネをかける
ブルーライトカットメガネは、文字どおりブルーライトを遮断することができるメガネです。これにより、デジタルデバイスを使用するときに疲れや眼の痛みを軽減することができます。
ブルーライトカットメガネの種類は大きくわけると3つ。
- 非着色タイプ: メガネを普段から使用している人はコレ。
いわゆる「普通のメガネ」にブルーライトカット機能を付加したタイプ。通常のレンズに比べて薄く、軽くてコストパフォーマンスが良いというメリットがあります。 - 着色タイプ: 安価にブルーライトをカットしたい人はコレ。
ブルーライトを遮断するために着色されたレンズ。着色タイプは、外出先での使用に適しているが、通常のレンズよりも重いことがある。(着色はオレンジや赤色のタイプが多い) - 自動調光タイプ:外出先でもブルーライトをカットしたいヒトはコレ。
着色タイプの上位版。明るさに応じて自動的にブルーライトの遮断効果が変わるメガネ。外出先での使用や、長時間デジタルデバイスを使用する場合に最適。
ほかにもデジタルデバイス用に特化した「スクリーンフィットタイプ」や、ゲームの強いフラッシュなども防ぐ、「ゲーミングタイプ」なんかもあります。しかし、そこまで機能にこだわりがない場合は費用が謎に上がるため1~3のどれかで選ぶのが無難です。
ご自身のライフスタイルに合わせて探してみてください。
3.寝る2時間前にすべての電子機器の利用をやめる
就寝直前のスクリーンタイムが睡眠の質を大幅に低下させます[*]。
「寝る2時間前にすべての電子機器の利用をやめる」と書きましたが、これはブルーライトの影響を受けない最低ラインです。もっと長くブルーライトを使用しない時間をとれるならそれに越したことはありません。
ただし、これは現代人において必ずしも現実的ではありませんので、無理のない範囲で実行しましょう。
4.スマホやタブレットのライトの設定を暖色モードにする
先ほども申し上げたとおり、就寝前にすべてのデバイスの使用をやめるのがベストです。しかし、テクノロジー中心の世界では、それが常に可能であるとは限りません。
その場合の対処法として、スマホやタブレットのライトの設定を暖かくすることをおすすめします。お手持ちのデバイスの多くには、画面を暖色系の色に切り替え、画面から発せられるブルーライトを抑えてくれる機能があります。
この機能を寝る数時間前にONにすることで、ブルーライトによる悪影響を軽減することが可能です。暖色モードとは少し違いますが、私は寝る2時間前に画面が自動的に白黒になる設定をしています。白黒になるとスマホへの関心が薄れ、イジるのを自然にやめることが可能です。(しかし、その機能をOFFにしたいという小さな葛藤がONになります。)
5.スクリーンデバイスにブルーライトカットフィルターを貼る
さきほどはメガネをかけることでブルーライトをカットしましたが、次はその対象物自体のブルーライトをカットする方法です。これならばメガネをかける習慣のない人でも、いちいちブルーライトメガネをかけなおす手間なくブルーライトをカットすることができます。
ただし、ブルーライトカットフィルターを貼ってしまうことで、色味が変わってしまうので、映画の画質にはこだわりがある人や、Webデザイナーなど色味を検証する必要がある人は注意が必要です。
私の場合は27インチのモニターに以下のフィルターをつけるようになってから目の疲れが半減しました。


もしフィルターの導入を検討されている方は、ご自身でお持ちの画面サイズに合わせて調べてみてください。
おわりに:現代人こそブルーライトを上手にコントロールしよう!


今回はブルーライトのヤバさから効果的にカットする方法についててお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。ブルーライトをカットする方法を改めてまとめると以下のとおり。
- 1.目を保護するサプリを飲む
- 2.ブルーライトをカットするメガネをかける
- 3.寝る2時間前にすべての電子機器の利用をやめる
- 4.スマホやタブレットのライトの設定を暖かくする
- 5.スクリーンデバイスにブルーライトカットフィルターを貼る
3なんかはすぐにやめるには難しいですが、それ以外なら今すぐにでも導入できそうですよね。まずは、「ブルーライトによる健康被害は想像以上にヤバそうだ」ということを自覚するだけでも構いません。
本日の記事をきっかけにブルーライトとの付き合い方が少しでも変われば幸いです。
それでは今日も健康な1日を!